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【復興日本 東日本大震災10年】第1部 再生(3)帰宅難民「帰らない」選択

六本木ヒルズの地下倉庫。1万人が3日間滞在できる物資を備蓄している =東京都港区(寺河内美奈撮影)
六本木ヒルズの地下倉庫。1万人が3日間滞在できる物資を備蓄している =東京都港区(寺河内美奈撮影)
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 25メートルプールほどの広さの地下倉庫に積み上げられた段ボール箱。即席のドライカレーやクラッカーなどの非常食10万食のほか、簡易トイレや救急キット、生理用品まで蓄えられている。搬送のためのリヤカーも。

 東京のランドマーク「六本木ヒルズ森タワー」。地上54階、高さ238メートルのオフィスビルは「ヒルズ族」という言葉を生んだが、その真価は地下にある。東日本大震災での経験を踏まえた首都直下地震への備えだ。

 地下倉庫には1万人が3日間滞在できる物資を保管している。このうち5千人は、帰宅困難者の受け入れを想定している。災害時、交通機関のマヒなどによって自宅に帰れなくなる人たちを指す。「帰宅難民」とも呼ばれる。

 六本木ヒルズでは定期的に帰宅困難者の受け入れ訓練を実施しており、直近では新型コロナウイルス禍の昨年9月に行った。スタッフは防護服を着用し、感染防止対策に気を配りながら帰宅困難者の誘導や検温の手順などを確認した。

 六本木ヒルズを運営する森ビルの伊藤優香さん(33)は「災害時に社員はどう動けばよいか。帰宅困難者の受け入れの方法一つとっても、あらゆる事態を想定しシミュレーションを重ねている」と語る。

 平成23年3月の東日本大震災。東京都内も震度5強の揺れに見舞われた。一部を除き、鉄道は終日ストップした。内閣府の調査によると、この日、首都圏で515万人の帰宅困難者が発生したと推定されている。

 歩いて自宅を目指す人で道はあふれた。「気分が悪い」などの通報も相次いだが、救急車が10~15分で着く場所に、3時間以上かかったケースもあった。帰宅をあきらめた人たちは東京都庁を頼った。1階エントランスの床に毛布を敷き、数百人が身を寄せ合って一晩を過ごした。

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