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元地権者らの請求退ける 沼津の鉄道高架訴訟で静岡地裁

訴えが退けられ「不当判決」と憤る原告団ら=24日、静岡市葵区の静岡地裁前
訴えが退けられ「不当判決」と憤る原告団ら=24日、静岡市葵区の静岡地裁前

 JR沼津駅(静岡県沼津市)付近の鉄道高架事業に伴う新貨物ターミナル整備をめぐり、土地明け渡しに反対する元地権者らが国や県に対して都市計画事業の認可取り消しなどを求めた訴訟で、静岡地裁(小池あゆみ裁判長)は24日、元地権者らの請求を却下・棄却する判決を言い渡した。県収用委員会による土地収用裁決の取り消しなどの訴えも却下。すべての主張が退けられた原告側は落胆とともに「不当判決」と憤り、控訴する意向を強くにじませた。

 判決は、沼津市原地区への新貨物ターミナル整備をめぐり、元地権者の久保田豊さんが来年2月5日までに明け渡しに応じない場合、川勝平太静岡県知事が行政代執行(強制収用)に踏み切るかの判断材料として注目されていた。

 訴訟の最大の争点は、高架事業の必要性の是非。県などは交通混雑の解消や駅周辺の活性化を理由に事業推進を訴える一方、原告側は都市計画決定後に交通量減少など社会経済情勢が変化し、高架化の必要性は低い、と主張していた。

 判決は「都市計画決定後に事情の変更などが生じたとしても、いったん適法に定められた都市計画自体がさかのぼって違法になるということはできない」と原告側の主張を退けた。「費用対効果が低い」との訴えも退けた。

 原告側は判決後、静岡市内で記者会見した。久保田さんは「2月5日以降、明け渡すつもりはありません」と表明。「私は私の権利を主張する」と強調した。別の原告の男性は判決について「非常に憤慨している」と声を荒らげた。

 原告側代理人の海渡雄一弁護士は判決に対し「時間が経過したことによって不合理になれば見直すのは当たり前」と反発。「(地裁は)不合理になることが明らかな場合でなければ取り消さなくてもいいという基準を立てた。なぜ、ここまで行政の意向に忖度(そんたく)しなければいけないのか。大変遺憾だ」と語気を強めた。

 一方、判決後の記者団の取材に川勝知事は「大きな区切りを迎えた」と受け止め、「まずは第1段階で貨物駅を移し、原町の発展のために何ができるかという転換点になればいい」と事業の進展に期待した。

 行政代執行に踏み切るかどうかについては「原町のために何ができるかという観点から(元地権者に)考え直してもらい、訴えたいことがあるならば、私がじかに話を聞きたい。最後の最後まで話を続けたい」と、ギリギリまで直接交渉する考えを明らかにした。

 県収用委の本野仁会長は「主張がおおむね認められたものと考える」とのコメントを出した。

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