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【主張】高浜「地元同意」 原発の長期活用は常識だ

 原発の新増設が難しい現状下で、運転寿命を延長した原発を再稼働させ、電力の安定供給と二酸化炭素の排出削減という懸案克服の一助とするのは順当な判断だ。

 福井県高浜町議会が先月下旬、関西電力高浜原発1、2号機の再稼働に同意した。

 両機とも運転開始から40年を過ぎた高経年原発で、平成28年に原子力規制委員会によって新規制基準への適合性と20年間の運転延長が認められている。

 耐震性強化などの安全対策工事も進んでおり、1号機は9月に完了し、2号機も来年4月に終える工程だ。

 規制委が40年超の運転を認めた原発には、他に関電の美浜原発3号機(福井県美浜町)と日本原子力発電の東海第2原発(茨城県東海村)があるが、立地自治体から再稼働への同意が得られたのは初めてのことである。

 東日本大震災前に54基あった国内の原発は、福島事故後に廃炉が相次ぎ、現在は33基に減っている。しかも再稼働したのは、このうち9基にすぎない。

 こうした逼迫(ひっぱく)状況で高浜1、2号機の再稼働に町議会の同意が得られた意義は大きい。美浜3号機についても年内に町議会で再稼働が認められる見通しだ。

 高経年原発の再稼働を安全性の面で危惧する声もあるが、その心配は当たらない。原発の大部分の装置や部品類は定期検査の際に新品に取り換えられており、交換できない原子炉圧力容器の本体などは材質に劣化のないことが厳密に確認されているからだ。「老朽原発の延命」などという批判は、現実からほど遠い。

 日本原子力産業協会によると米国では稼働中の原発94基のうち45基が40年超の原発で、うち4基については米原子力規制委員会(NRC)によって80年間の運転が承認されている。さらに4基が80年への延長に向けて審査中だ。

 既存炉の長期活用方針は、米国の原子力発電において常識化していることを知っておきたい。

 杉本達治福井県知事の同意も得られると関電の高経年原発3基の再稼働が実現するが、杉本氏が同意の前提として関電に求めている使用済み燃料の県外一時保管先は未確保のままである。

 この課題の解決と金銭不祥事からの信頼回復に関電の力量と誠意が問われている。

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