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【東日本大震災 10年へ】保存か解体か 原発事故後のままの学校 町民ら視察

福島県双葉町の中学校。当時のメッセージも残っていた=福島県双葉町(大渡美咲撮影)
福島県双葉町の中学校。当時のメッセージも残っていた=福島県双葉町(大渡美咲撮影)
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 東京電力福島第1原発事故の影響で全町避難となり今年、一部の地域で避難指示が解除された福島県双葉町。町では、事故当時のまま残されている学校施設の利活用や存廃の検討が始まっている。残すべきか、解体すべきか-。東日本大震災から10年を前に、町は難しい判断を迫られている。 (大渡美咲)

 《三月十一日(金)》

 《地しんがきてもおちついて》《つなみは絶対こない》

 町立双葉北小学校の教室の黒板。児童らが書いたとみられる文字が今も残っていた。教室の机の上に置かれた赤と黒のランドセルは、持ち主を待っているかのようだった。

 今月19日、町内に残る小学校や図書館などの施設のあり方を検討する委員会のメンバーと町の担当者が同校や中学校を視察した。いずれの建物も、大きな破損は見られないものの、壁にはひび割れ、天井には雨漏りの跡があった。

 建物の状況について、同県富岡町の建築士、遠藤一善さん(59)は「見た目以上に細かいところに亀裂があり水が染みていた。10年も手入れをしていないので劣化していて、直すのは相当大変」と話す。 

 双葉町は原発事故による避難が全町で続いていた唯一の自治体だったが、今年3月に避難指示の一部が解除され、立ち入りが緩和された。町は令和4年春までの居住開始を目指し、JR双葉駅周辺の整備を進めている。

小学校の教室にはランドセルが残されたままだった=福島県双葉町(大渡美咲撮影)
小学校の教室にはランドセルが残されたままだった=福島県双葉町(大渡美咲撮影)
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 ただ、避難の長期化により、どれだけ人が戻ってくるかは不透明だ。復興庁などの意向調査によると、帰還を望む住民は1割ほどにとどまる。町民の帰還を目指すにあたり、町内の学校施設の利活用や存廃は大きな課題となっており、来年2月をめどに意見を取りまとめる予定だ。

 委員会のメンバー、今泉春雄さん(67)は「思い入れのある施設なので残ってほしいとは思うが、修復が必要なので無理かなとも思う。判断が難しい」と語った。福田一治さん(49)は「懐かしいにおいがしたけど、もう使えない。新しい町づくりをするならば、子供たちに新しいものが必要」と話した。

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