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山岳遭難事故が増加 「密」回避のレジャーに落とし穴 埼玉

登山届の提出を登山客に呼び掛ける埼玉県警の山岳救助隊員ら=10月24日、埼玉県秩父市(県警提供)
登山届の提出を登山客に呼び掛ける埼玉県警の山岳救助隊員ら=10月24日、埼玉県秩父市(県警提供)

 埼玉県内で山岳遭難事故が相次いでいる。県警によると、8~10月の発生件数は21件で、前年同期の3倍に達した。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、「3密」を避けて楽しむことができるレジャーとして注目を集める登山だが、準備不足で臨むと命を落としかねないリスクも潜む。

 県警によると、山岳遭難事故の発生件数は7月ごろまでは前年よりやや少ない水準で推移していたが、8月以降は一転して急増している。10月31日には、小鹿野町の二子山西岳(1165メートル)の山頂付近を登山していた女性=当時(69)=が約60メートル下に滑落、死亡する事故も起きた。

 埼玉県内には標高が比較的低い山が多い上、地理的に東京都心などからアクセスしやすい。県山岳・スポーツクライミング協会の天野賢一専務理事(56)は「コロナ禍で遠方に行きにくい中、『近場にあり、挑戦しやすい』という理由で埼玉の山に行く人が増えているのではないか」とみる。

 登山の際は、参加者のグループ構成や行動予定、緊急連絡先などを記した「登山届」を警察署に任意で提出する制度がある。ただ、登山に慣れていない人にはあまり知られておらず、今年1~10月の提出件数は前年同期より3545件少ない9671件にとどまっている。

 県警地域総務課の担当者は「登山届がなければ、遭難した場合に早期発見することが難しくなる。ハイキングで山に登る際も必ず提出してほしい」と話す。県警は、登山客が多く訪れる秩父市などで登山届提出を呼び掛けるキャンペーンを行い、制度の周知徹底を目指している。

 県警山岳救助隊の馬場勉隊長(45)は「日暮れが早くなっているので、しっかり行動計画を練った上でゆとりのある登山を楽しんでほしい」と訴えた。

(竹之内秀介)

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