琉球王朝の雰囲気包む 首里城祭で伝統芸能披露 正殿焼失の火災1年
首里城(那覇市)の正殿などが焼失した火災から1年となった31日、現地で首里城祭が開幕し、訪れた人からは再建を心待ちにする声が聞かれた。11月3日までの期間中、首里城公園では伝統芸能などが披露され、琉球王朝時代の雰囲気を味わうことができる。毎年この時期に開催。昨年は火災を受け、期間途中で中止となった。
公募で選ばれた国王と王妃は、赤が基調の衣装で午前11時ごろ、焼失した正殿跡付近に登場。来場者らの前を練り歩き撮影に応じた。琉球古典音楽などの伝統芸能も上演された。
焼損した奉神門前で朝、銅鑼が打ち鳴らされ「うけーじょー(御開門)」の掛け声とともに開門。火災後初めて、家族4人で正殿跡に足を運んだ沖縄県糸満市のパート金城玲子さん(47)は「本当に焼失したんだなと寂しい思いがする。二度と燃えないように再建を進めてほしい」と語った。最終日の3日は、国王らが奉神門から、守礼門まで練り歩く古式行列でハイライトを迎える。新型コロナウイルス感染防止のため、国際通りを舞台とした「琉球王朝絵巻行列」は取りやめる。