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座間9人殺害 検察側「自殺願望と殺害承諾は別」 弁護側「被害者の内心、慎重に検討を」

神奈川県座間市の9人殺害事件があったアパート=2017年10月
神奈川県座間市の9人殺害事件があったアパート=2017年10月

 神奈川県座間市のアパートで平成29年、男女9人が殺害された事件で、強盗殺人や強盗強制性交殺人などの罪に問われた無職、白石隆浩被告(30)の裁判員裁判の第9回公判が19日、東京地裁立川支部(矢野直邦裁判長)で開かれた。1~3人目の被害者の事件について中間論告と弁論が行われ、検察側は3人が「被告に殺害されることを承諾していなかったことは明らかで、被告の行為は単なる殺人行為だ」と主張。弁護側は「薬を飲んでから首を絞めて殺害されることを想定していた」などと反論した。

 3人は、最初に犠牲となった会社員の女性=当時(21)▽高校1年の女子生徒=同(15)▽介護職の男性=同(20)。

 検察側は、被害者が被告と会ってから「考えた結果生きていこうと思う」などのメッセージを送っていたことなどから、「自殺の意志を明示的に撤回するなどしており、およそ被告にいきなり首を絞められる方法で殺害されることを承諾していたとはいえない」と指摘。殺害時に「抵抗された」とする白石被告の供述からも、承諾はなかったと訴えた。

 さらに「自殺願望を抱き、事件当時も願望があった可能性は争わない」としつつ「願望と殺害の承諾は全くの別問題」と強調。弁護人の主張について「自殺願望を強引に承諾に結び付けようとするもので、論理的な飛躍がある」とした。

 一方で弁護側は、被害者が白石被告に殺害を依頼するメッセージを送るなどしたほか、薬を飲んで首をつる方法について事前に話題になっていたことを踏まえ「単なる希死念慮ではなく被告に命を絶たれることを承諾し、薬を飲んだ状態で首をつられることをリアルに思い描いていた。当日は白石被告と2人きりで薬や酒を飲んでおり、想定した状況に近づいていた」と主張した。

 また自殺の意思を撤回するメッセージを送信した後に、被害者らが遺書を書くなどしていたことを挙げ、「(自殺意思の撤回後に)希望を見いだしたわけではない」とした。殺害時の抵抗は「条件反射」と評価した。

 白石被告は公判で、裁判官から「承諾があった人もいるのか」と問われ、「分からないというのが正直なところ」と答えていた。弁護人はこの点に触れ「黙示の承諾は被害者の内心のこと。(承諾の有無は)慎重に検討してほしい」と締めくくった。

 被告はこの日も緑色の作業服を着て入廷。目をつぶったまま腕を組んで座っていた。21日からは、4人目以降の被害者に関する審理に入る予定。

 起訴状によると、白石被告は29年8月下旬~10月下旬、座間市の自宅アパートで女性8人に乱暴した上、男性1人を加えた9人をロープで窒息させて殺害。現金数百~数万円を奪い、遺体を切断して室内のクーラーボックスなどに遺棄したなどとしている。

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