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【都民の消防官】(3)丸の内署消防司令補 内谷公代さん(53) 大嘗祭も入念に「安全作り出す」

建物の図面を広げて消防設備が適切かどうかを確認する丸の内署の内谷公代消防司令補
建物の図面を広げて消防設備が適切かどうかを確認する丸の内署の内谷公代消防司令補

 「東京消防庁は、都民の安全を作り出すメーカー」。自身の職場をこう表現する。消防法などに照らし合わせ、火災が起きにくい安全な建物になるよう、消防設備などを指導する火災予防業務を中心に活躍を続けてきた。「階段を一段一段進んでいくような仕事。消火や救助のようにスポットライトは当たらないが、都の安全を守るのは一緒」と力を込める。

 昨年11月の天皇陛下の即位後初の新嘗祭(にいなめさい)「大嘗祭(だいじょうさい)」にも携わった。建物は木造で、裸火を使う場面の多い神事。「いかに伝統行事の雰囲気に配慮しつつ、安全に滞りなく進められるか」。経験したことがない仕事だったが、たいまつの燃え方を入念に調べるなどしつつ、宮内庁の担当者と会議を何度も重ね、トラブルを防いだ。

 「国民が心を寄せる行事に携われてよかった」

 仕事に忙殺されながら、双子の子育てに奮闘する時期もあった。子供の1歳の誕生日も出勤せざるを得ず、「無理をさせた。このまま続けられるのかな」と思うこともあった。そんな不安を、家族や同僚の支えで乗り越えることができた。「がむしゃらに頑張ってきた」とほほえむ。

 若手時代は苦難の連続だった。防火水槽などを担当する水利課に所属していた20代。女性が配属されたのは初めてのことだった。やりとりする工事関係者の中には、男性の話だけ聞いて自分の言葉は無視する人もいた。心ない言葉を浴びせられ、悔しさで枕をぬらしたこともあったが、くじけることはなかった。「どうやったら自分の言葉に説得力を持たせられるか」。互いに共通する「安全性の高いものをつくる」という熱意を繰り返しぶつけることで、信頼関係を築いた。

 「こんな年になっても勉強ができるのはなかなかない環境で、楽しい」。さらなる成長を求めて努力を重ねる覚悟だ。(松崎翼)

 【プロフィル】内谷公代(うちや・きみよ) 東京都出身。大学卒業後、平成3年、東京消防庁入庁。地方競馬の世界に身を置く夫と双子の子供の4人家族。趣味はコーラス。休日の家事がストレスの解消につながっている。物事にあたるときは「感謝」「謙虚」「心をもって」を信条とする。

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