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【台風19号被災1年】復旧進捗率はまだ2割 爪痕残る道路、群馬の河川 

災害復旧工事が行われる嬬恋村。昨年倒壊した鳴岩橋の一部が残る=12日、同村(橋爪一彦撮影)
災害復旧工事が行われる嬬恋村。昨年倒壊した鳴岩橋の一部が残る=12日、同村(橋爪一彦撮影)

 記録的な豪雨で甚大な被害をもたらし、群馬県でも4人の命が失われた昨年10月の台風19号は12日、上陸から1年を迎えた。道路や河川などインフラ関連の復旧を精力的に進めるが、依然として災害の爪痕が残っている。同県関係分の復旧工事の進捗(しんちょく)率は約2割にすぎず、本格的な復旧はなお道半ばとなっている。(椎名高志、橋爪一彦)

 同日、3人の市民の命を奪った同県富岡市内匠の土砂崩れ現場には、3つの花束がひっそりと供えられていた。斜面下には約250個の大型土嚢(どのう)が積まれ、斜面上では重機を使った県の防災工事が行われていた。

 近くに住む新井誠一さん(79)は「家の前の坂道が泥の川になった。必死で富岡実業高校まで逃げた。今でも雨が降ると不安だ」と話す。同市危機管理課によると、3世帯10人が自宅に戻れない状態が続いているという。

 同市では昨年12月から、有識者で構成する災害検証委員会で原因などを究明。今年8月にまとめた最終報告書では、大量の雨が緩やかな斜面を侵食し地下水も斜面に集中したことが土砂崩れの誘因と推定した。

 現場は緩やかな傾斜地ということから県の土砂災害警戒区域などには指定されていなかったが、報告書では「地形的に区域外で災害が発生するリスクは存在。土砂撤去依頼が100カ所以上で確認され、多くの市民が土砂災害と隣り合わせ」などと指摘した。

 これを受け、同市では10月に初の市民向け「避難行動マニュアル」や「避難所開設・運営マニュアル」を作成。令和4年度までには市内12地区ごとの自主避難計画の策定にも取り組む。住民主導による自主避難基準や地区で記憶されている過去の災害などを盛り込む見込みで、市危機管理課では「住民の防災意識の向上にもつなげたい」としている。11月からは希望する世帯全てに文字情報も表示できる防災ラジオを配布することも決めた。榎本義法市長は「自分の命は自分で守ることを基本に、最大限支援できる態勢を構築していく」と力を込めた。

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