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台風19号被害から1年 千葉・市原、竜巻で消防奮闘 署が被災も市民救出 

竜巻の被害を受け、現在も基礎だけになっている住宅跡地(手前)と屋根にビニールシートがかぶせられたままになっている住宅(奥)=8日、市原市永吉(長橋和之撮影)
竜巻の被害を受け、現在も基礎だけになっている住宅跡地(手前)と屋根にビニールシートがかぶせられたままになっている住宅(奥)=8日、市原市永吉(長橋和之撮影)

 昨年の台風19号(令和元年東日本台風)の上陸前、千葉県市原市で竜巻が発生し、建物8棟が全壊するなど大きな被害が出てから、12日で1年がたつ。管轄する市津消防署は台風の上陸に備えていたが突然、庁舎や車両の被害を含む大規模災害に直面。異常事態の中でも冷静に対処し、市民を救出しており、今後の災害対応にとっても貴重な経験となったようだ。(長橋和之)

 昨年10月12日朝、市原市潤井戸の市津消防署では、予想されていた台風に備え、朝から署員が集まっていた。しかし、台風上陸前の午前8時8分ごろ、竜巻が起こり、消防署の窓ガラス55枚が割れた。飛散物がぶつかるなどして、水槽車、ポンプ車、救急車が自走不能に。署員の車24台も全損に近い状態となった。

 竜巻の直後に署に到着した天野正次市津消防署長(現・市消防局消防総務課長)は「出勤途中に道路の状況を見て、大規模災害が発生したと気が引き締まった」と振り返る。しかし、救助に向かう道路は飛散物で通行ができない状態。庁舎の窓ガラスも割れ、台風による雨が吹き込めば、通信設備などに故障が生じる恐れもあるなど、問題が山積していた。天野氏は直ちに全員召集を発令。集まった署員を救助に向かう班、道路上の飛散物を撤去する班、庁舎の修繕を行う班に分け、指揮を執った。

 結局、署は消防機能を失うことなく救助を行うことができたという。天野氏は「前例のない被害だったが、これまでの経験を基に冷静に対処をすることができた」と振り返る。

 救助班は、車両が通れない箇所は歩いて資材を運び、時には素手でがれきを撤去し、がれきの下から子ども3人を含む4人を救出した。救助の際には、感極まる署員もいたという。住民の安否確認のため、徒歩で近隣の住宅全224棟を回り、自力での到着が困難な人たちは避難所へ誘導した。

 同市消防局では、今年9月28、29日に指揮隊長級の職員を対象に当時の記録を使った研修を行うなど、この竜巻への対応を今後の災害時の取り組みに生かそうとしている。こうした考えから同署の3階には、現在も竜巻で飛来してきたがれきを展示している。天野氏は、「災害対応ではそれまでの経験がモノを言う。竜巻で経験したことを、今後の災害時にも生かせるようにしたい」と語った。

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