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「活動者」の顧客が新規開拓、ピラミッド式に被害拡大 ジャパンライフ巨額詐欺

警視庁=東京都千代田区霞が関
警視庁=東京都千代田区霞が関

 磁気治療器の販売預託商法をめぐるジャパンライフの巨額詐欺事件で、同社が顧客を「活動者」と名付けて、新規顧客の開拓などを手伝わせていたことが関係者らへの取材で分かった。同社を信頼した顧客が新たな客を増やし、被害が広がった「マルチ商法」の構図が浮かぶ。警視庁など6都県警の合同捜査本部は、債務超過と知りながら顧客11人から現金計約8500万円をだまし取ったとして8日に再逮捕した同社元会長、山口隆祥容疑者(78)が指示していたとみて調べている。

 福島県の女性(57)は平成20年、知人の紹介で同社の寝具を使うようになった。元々、体が弱かったが「寝具で体調がよくなった」。さらに、低金利時代の中、6%ほどの利息が得られるオーナー制度を魅力的に感じ、磁気ベルトに約800万円をつぎ込んだ。

 5年ほど前からは仕事の契約が切れたこともあり、活動者となった。報酬は時給950円ほど。支店に客が訪れると、他の活動者と4人がかりで手足や背中をマッサージし、商品の概要を熱心に説明した。

 山口容疑者の商法は、過去に「悪質なマルチ」とたびたび批判されていた。昭和46年、創業した健康商品販売会社「ジェッカーチェーン」は被害の訴えが続出して社会問題化。50年に国会の特別委員会に参考人招致され厳しく追及された。同社は51年に事実上倒産。これに前後して50年に立ち上げたジャパンライフも、「マルチまがい」だとして国会で議題になった。

 ジャパンライフは平成15年から販売預託商法に乗り出したが、29年、顧客に別の顧客を勧誘させ、ピラミッド式に拡大していく手法が、消費者庁から「マルチ商法」との指摘を受けて、業務の一部停止を命じられた。だが、事実上の倒産に至るまで、顧客への投資の働きかけは続いたという。

 こうした状況でも、多くの顧客の信頼感は揺らがなかった。活動者だった福島県の女性も、同社の運営は盤石と信じ切っていた。オーナー契約の配当が入るたび新たな契約を結び、最終的につぎ込んだ総額は約2200万円。「皆を健康にする人助けができる」と最後まで信じていたという。(吉沢智美)

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