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子供の病気やけがつくり出す「代理ミュンヒハウゼン症候群」 専門家「多くの誤解」指摘「小児に関わる医療者が意識を」

 過度な受診や、医療機関を渡り歩く「ドクターショッピング」を繰り返すことも、広い意味でMCAに該当するという。

 なぜ、こうした行為に及ぶのか。溝口医師は「『良き看護者』として注目を集めたいといったことがよく言われるが、そんな単純な動機ではない。病態が進むと『医療者とつながること』のみが目的化する。さらに『いかに医療者を出し抜くか』という駆け引きに執心するようになり、集中治療室(ICU)の監視カメラの下でも加害行為に及ぶようになる」と指摘する。

どう守るか

 MCAは動機ばかりに注目が集まるが、本質的な問題は、いかに子供を守るかだ。溝口医師によると、MCAも他の虐待と同じく、(1)虐待を見つける(2)止める(3)再発を防止する-といった順序で対応するという。

 関係者が混乱し、子供の安全への視点が弱まってしまう恐れが高いため、MCAの動機を深く見つめていくのは、親子が再び一緒に暮らす「再統合」が考えられる状況となってからが良いという。

 溝口医師は「特別な予防法はないのが現状だ。この虐待は、小児に関わる医療者が気づくことで初めて、存在するものとなる。特殊なので自分が関わることはないだろうと考えず、普段から医療者が存在を意識しておくことが、早期発見につながる」と話す。

 重度のMCAは文献にもよるが、適切な介入がなされなければ再発率はほぼ100%。致死率は最大で30%にも上り、親子の再統合は難しいのが現実だという。

 溝口医師は「親子を分離して虐待した親に刑事罰を科し、社会から排除するだけでは問題解決にならない。親子のつながりをどう安全に構築するのかや、親自身も分からなくなっている心の内面を遡(さかのぼ)ってひもとき、どのように向き合うのかについて、専門家も社会全体でも、答えを探す努力を続けなくてはならない」と強調した。

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