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被害者9人とも匿名審理 専門家「過度の適用には留意を」

 白石隆浩被告の裁判員裁判は、犠牲となった男女9人全員の氏名が伏せられて審理される。男性1人を除く女性8人が性犯罪の対象になったとされており、被害者保護を目的とした被害者特定事項秘匿制度に基づき裁判所側が判断した。匿名での審理については、専門家の間でも見解が分かれている。

 「被害者9人について、法廷で特定情報を秘匿する決定をしています。被害者の方もA~Iのアルファベットで呼んでいきます」。矢野直邦裁判長は冒頭、秘匿制度を適用すると説明。白石被告にも被害者の氏名などを出さないように注意した。

 秘匿制度は平成19年の改正刑事訴訟法で新設。性犯罪被害者などの保護を目的とし、被害者側の申し出で裁判所が判断する。最高裁によると、20年から昨年にかけて秘匿が決定された被害者は約4万5千人。28年に相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で起きた殺傷事件の公判も被害者は匿名で審理された。

 常磐大の諸沢英道元学長は「被害者の意向は最大限尊重すべきだ」と評価。ネットでの情報発信が広がるなか「匿名を求める流れは今後も進む」とみる。

 ただ、27年の強制わいせつ事件で、1審で匿名だった被害者が2審で実名とされた例もある。

 制度に詳しい粟田知(とも)穂(ほ)弁護士は「無制限に匿名を認める制度ではない」と指摘。「裁判公開の原則に反しないかや、審理の対象を明確にできるかについて留意すべきだ」としている。

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