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【ケリー被告初公判詳報】(3)報酬隠し、7通り検討 UAEに迂回画策

初公判のため東京地裁に入る日産自動車元代表取締役のグレゴリー・ケリー被告=15日午前、東京都千代田区(代表撮影)
初公判のため東京地裁に入る日産自動車元代表取締役のグレゴリー・ケリー被告=15日午前、東京都千代田区(代表撮影)

 《静寂に包まれた法廷で、検察官の声だけが響く。冒頭陳述は、今回の金融商品取引法違反事件に至る経緯の説明に入る。発端は「国の動き」だったという》

 検察官「役員報酬の個別開示制度を含む内閣府令の改正に向けた議論が、国で本格化した。(日産自動車元会長のカルロス・)ゴーン被告は、開示で高額な報酬が明らかになるのを避けるため、金融庁に直接、間接の働きかけをして阻止しようとした。しかし制度が開始され、改正後の府令で開示対象となったのは『報酬や賞与その他会社から受ける利益であって、当事業年度に受け、または受ける見込みの額が明らかになったもの』と定義された」

 《府令の改正で、ゴーン被告の報酬も開示を余儀なくされる。そこで、後で補填することを前提に報酬の一部を返金し、2009年の報酬総額は見掛け上、10億円に抑えることにしたという。翌年から返金するか、日産とルノーの合弁会社・RNBVから支払われた体裁で後付けで支払うか。検察側は、日産が長所と短所を検討したと指摘する》

 検察官「元秘書室長がケリー被告の指示に従いオランダの税制調査などを進めた結果、RNBVにはルノーの支配性が強く、(ゴーン被告に支払おうとした報酬が)開示対象となるリスクが高いと判断した」

 《RNBVはオランダ・アムステルダムにある。検察側は、ケリー被告が一時、この会社を経由し、ゴーン被告の報酬隠しを検討したことを主張する》

 《元秘書室長はケリー被告の指示を受け、7通りの報酬隠しの仕組みを検討したとされる。RNBV以外の関連会社から報酬を支払う方法や、退任後の慰労金に加算して支払う方法などが案として出され、元秘書室長はそれぞれの長所と短所を一覧表にしてケリー被告に提出したという》

 《検察側は、それを基にケリー被告の判断が行われたとみる》

 検察官「被告ケリーは(元秘書室長に)RNBV以外の会社から支払う方法を模索するよう支持した」

 《検察側によると、発覚を避けるため、資金の迂回(うかい)先としてアラブ首長国連邦(UAE)のドバイに会社を設立させ、その会社を通じて報酬を支払う準備を進めさせた。その後、原資を送金させたとしている》

 《ケリー被告は机の上で両手の指先を合わせ、通訳される検察官の冒頭陳述に耳を傾けている》

 《午前11時50分過ぎ。裁判長が午前中の審理終了を告げ、ケリー被告は裁判長の方に視線を向けた。検察側の冒頭陳述は途中だが、続きは午後に持ち越されることになった》

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