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「厳罰化で責任自覚を」少年法改正、被害者遺族の訴え

悠さんの写真を手に少年法の厳罰化を訴える青木和代さん=滋賀県高島市
悠さんの写真を手に少年法の厳罰化を訴える青木和代さん=滋賀県高島市

 少年法改正をめぐり、少年の中で18~19歳を別扱いして厳罰化し、検察官送致(逆送)後に公判請求(起訴)されれば実名報道を解禁するなどとした答申案が9日、法制審議会の部会で承認された。「加害少年たちに罪を認識させ、責任を負わせるためにも厳罰化は当然」。19年前、大津市で知人の少年たちに集団暴行を受けて次男の悠さん=当時(16)=を亡くした滋賀県高島市の青木和代さん(71)はこう話す。加害少年たちへの怒りや息子を失った悲しみが癒えることはなく、「人の命を奪ったのだから年齢ではなく、その行為を判断してほしい」と厳罰化を訴えてきた。

 事件が起きたのは平成13年3月31日。「友達が高校の合格祝いにカラオケをおごってくれるって」。その日、悠さんは青木さんにこう告げると、うれしそうに出かけていったという。

 だが、それは悠さんを呼びだす口実だった。「障害者のくせに生意気だ」。顔見知りだった15歳と17歳の少年2人は、そう言いながら約2時間にわたって執拗(しつよう)に暴行を繰り返した。約1週間後、悠さんは意識が戻らないまま死亡した。

 悠さんは中学時代に交通事故に遭い、左半身が不自由になったが、懸命にリハビリを続け、全日制高校にも合格。将来は家業の煮豆店を継ぐため、大学で経営学を学びたいと意気込んでおり、これから始まる高校生活を楽しみにしていた。そんな最中の事件だった。

 刑事処分の対象年齢を16歳以上から14歳以上に引き下げた改正少年法施行(13年4月)の1日前に起きた事件だったため、当時15歳だった主犯格の少年は刑事責任を問えず、少年2人は少年院に送致されただけだった。「納得がいかない」。無念さが募った。

 更生を重視する観点から実名など本人を特定する報道をしてはならないことなどを規定する現行法。「加害者の将来は考慮されるのに、なぜ遺族は苦しみ続けないといけないのか」と訴えてきた青木さんは、「重い罪を犯して名前が出ないのはおかしい。それが嫌ならば悪いことをしなければいい」とし、検察官送致(逆送)後に公判請求(起訴)されれば実名報道を解禁するとした今回の答申案を評価する。

 一方、答申案で適用年齢を20歳未満から18歳未満に引き下げる判断が見送られたことについては憤りを隠せない。

 「選挙権年齢も18歳に引き下げられた今、当然適用されると思っていた。これだけ声を上げていても、届いていないのか」

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