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中国船衝突事件の船長釈放「尖閣守るため」 当時の検察判断理由判明

巡視船「みずき」に衝突する、中国漁船=巡視船「みずき」から撮影 (動画投稿サイト「YouTube」から)【撮影日:2010年09月07日】
巡視船「みずき」に衝突する、中国漁船=巡視船「みずき」から撮影 (動画投稿サイト「YouTube」から)【撮影日:2010年09月07日】
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 平成22年9月に尖閣諸島(沖縄県石垣市)沖で中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突した事件で、逮捕した中国人船長を処分保留で釈放した那覇地検の判断について、当時の最高検内部で「尖閣を中国から守るためでもある」との理由が示されていたことが分かった。複数の検察関係者が明らかにした。那覇地検は当時、「日中関係を考慮」と説明したが、詳細な理由が明らかになるのは初めて。

 最高検は船長の処分をめぐり起訴と不起訴の両面から検討。衝突時の映像などの証拠があり起訴は可能だったが、当時の菅直人首相ら官邸側から「釈放せよ」との意向が伝えられたという。外相だった前原誠司衆院議員も、釈放が「菅首相の指示」だとしている。

 このころ尖閣周辺に中国の漁船群が存在し、起訴すれば上陸強行の懸念もあった。さらなる強硬な対応も想定された中、官邸や外務省は対策に乏しく、菅氏周辺からは「混乱してまともな対応はできないだろう」との見通しが伝えられた。

 起訴すれば日中関係がさらに悪化し、経済や文化などあらゆる分野で関係がストップすることも予想された。公判で中国側が尖閣の保有を強硬に主張すれば、控訴審、上告審を含め判決確定に5年以上かかるとみられ、中国側が邦人4人を拘束した事案もあった。

 検察内部では法相の指揮権発動を求め、政治主導で不起訴処分とする選択肢も検討されたが、政治介入に前例ができるとの理由で反対された。結果として検察当局は不起訴を選択した。

 「法と証拠」に基づく検察が政治的な背景を考慮するのは異例だが、当時の状況を知る検察関係者は「政権には尖閣を守るための情報も装備も覚悟もなく、国民世論も十分醸成されていなかった。国益を考えれば司法の見えのために大事な領土を捨てることはできなかった」と話している。

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