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台風接近1・5倍、温暖化で強く・長く…20年間比較で判明

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 日本列島の太平洋側に近づく台風が増え、東京に接近したのは昨年までの20年間でその前の20年間に比べ約1・5倍に増加したことが、気象庁気象研究所の調査で分かった。台風の進路に影響を与える太平洋高気圧が列島に向けて以前より張り出していることが背景にあるという。さらに地球温暖化で台風自体がより強く、より長く居座る傾向にあり、近年の台風被害の拡大につながった可能性がある。今秋も台風の接近、発達につながる条件が整う見通しで、警戒が必要だ。(荒船清太)

東京接近1・55個→2・35個

 気象研によると、平成12~昨年の20年間で東京に接近した台風は平均2・35個で、昭和55~平成11年の平均1・55個に比べて約1・5倍。中心気圧が980ヘクトパスカル未満の強い台風に限れば約2・5倍に増えた。同様の傾向は静岡、名古屋、和歌山、高知の各市でもみられたという。

 その大きな要因とされるのは日本列島の南東にある太平洋高気圧の変化だ。高気圧の縁を沿うようにして時計回りに流れ、北東の列島方向に吹く風が台風を運ぶ。高気圧が以前に比べて列島に向かって張り出し、この風がより列島近くを吹くようになったことで、台風が列島に接近する進路をとりやすくなった。

 さらに、地球温暖化による海面水温の上昇が台風の素になる水蒸気も増やし、勢力を強めてきた。東京に接近したときの台風中心直下の海面水温は直近20年間が平均27・2度で、前の20年間の平均25・9度から上昇していた。

偏西風中心が北へ…ゆっくり通過

 また、台風の速度を東京接近時で比較した場合、直近20年間の平均は毎時30・6キロとなり、前の20年間に比べ3分の2程度にまで遅くなっていた。西から東に吹く偏西風の中心が、温暖化で勢力が強まった温かい空気に押し上げられる形で北に移動し、列島の南側で台風を運ぶ力が弱まったことが影響しているとみられる。

 気象研応用気象研究部の山口宗彦主任研究官は「肌感覚だった台風の接近の増加などが調査で裏付けられた。地球温暖化は身近な災害につながっている」と指摘している。

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