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復興から地域再生へ 宮城・名取「閖上だより」編集長の格井直光さん(62)

「閖上だより」を手にしながら「新しい閖上のまちを発信していきたい」と意気込みを語る格井直光さん=宮城県名取市
「閖上だより」を手にしながら「新しい閖上のまちを発信していきたい」と意気込みを語る格井直光さん=宮城県名取市

 平成23年の東日本大震災の津波で壊滅的な被害を受け、新しいまちづくりが進む宮城県名取市閖上地区。今年6月に創刊した地域情報紙「閖上だより」を発行する一般社団法人「ふらむ名取」の代表理事を務め、編集長として紙面づくりに携わる。震災後約8年半にわたって発行され、3月に60号で終刊した「閖上復興だより」の後継だ。創刊号の1面には、住宅が並ぶ閖上地区の写真を大きく掲載した。

 「地域再生が進む閖上を再発見してもらうのが狙いです。復興以外にも日常の話題などいろいろな情報を発信したいと『復興』の文字を外しました」

 前身の閖上復興だよりは住民らとともに23年10月に創刊し、最大1万部を発行。被災者自身が「記者」となり、住民の近況や店舗の再開、市の復興計画をめぐる独自のアンケート結果などを掲載し、仮設住宅などに無料で配布した。費用は広告料や企業や個人のサポーターの寄付で賄い、会社員として働きながら編集長を務めた。

 「私もスタッフも取材や編集などの経験がなく、試行錯誤しながらつくりました。閖上の人たちが情報を共有することでコミュニティーづくりに役立ち、復興につながると信じて発行してきました」

 閖上ではかさ上げした土地に学校や住宅、商業施設などが整備。昨年5月26日には「まちびらき」が行われ、再出発を印象づけた。この1週間後に開催された住民らによる「ふるさとゆりあげ復興まつり」を取材して、閖上復興だよりの終刊を決断した。

 「住民と話をしても心に余裕がうかがえ、普通の生活を取り戻していると感じました。閖上復興だよりもそろそろ潮時かなと、区切りのいい『60号』で終えることにしました」

 情報紙の発行に携わる一方、津波被害を語り継ぐ「語り部」の活動も続けてきた。閖上では震災の津波で750人以上が犠牲になり、自身も両親を失った。過去に閖上に押し寄せた津波の教訓が地域に伝承されていなかったとして、情報紙のスタッフに呼びかけ、24年3月に「閖上震災を伝える会」を設立した。

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