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【主張】避難指示に一本化 命守る行動につなげよう

 豪雨などで災害リスクが高まった際に自治体が出す避難情報について、内閣府は「避難勧告」と「避難指示」の区分を廃し「指示」に一本化する方針を明らかにした。

 防災情報を正しく理解する機会とし、「命を守る行動」につなげる心構えを新たにしたい。

 「避難勧告」は、災害による被害が予想されるときに住民に速やかな避難を促すもので、「指示」は、災害が切迫し危険度が高まった状況で、より強く避難を促す防災情報である。

 乱暴に言い換えれば、どちらも「逃げろ」という意味だが、勧告と指示の意味が正しく理解されていないために、住民に迷いや誤解が生じている。

 内閣府が昨年10月の台風19号による被災者に行った調査で、勧告と指示の違いを理解していた人は2割もいなかった。

 「勧告の段階では急いで逃げる必要はない」「本気で逃げなければならないのは、避難指示やその上の特別警報が出たとき」

 こうした誤った思い込みは、避難行動を鈍らせ、命取りになりかねない。

 「避難指示」への一本化を盛り込む災害対策基本法の改正は来年の通常国会以降となる見通しだが、国民一人一人は法改正を待たず、間違った思い込みを排除しなければならない。

 大規模災害などの危険に直面したとき、「自分は大丈夫だ」と思い込もうとする「正常化の偏見(バイアス)」と呼ばれる心理が働き、避難や安全確保の行動を鈍らせる。平常時に偏見を克服することが必要なのだ。

 豪雨による土砂災害や洪水、津波など水の猛威から命を守る手立てが「避難」以外にはないことを改めて心に刻んでほしい。

 平成23年の東日本大震災以降、国や自治体、気象庁などの防災機関は災害・防災情報の見直し、改善に取り組んできた。

 たとえば、自然災害の強大化に対応して「特別警報」が新設されたが、従来の警報に対する危機意識が希薄になる傾向が指摘される。特別警報の意味が、正しく理解されていないためである。

 国や自治体、気象庁は、分かりやすい情報発信と周知に努めなければならない。それ以上に大事なのは、国民一人一人が情報を正しく理解し、命を守る行動につなげる強い意志を持つことだ。

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