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【法廷から】元千葉県職員の生後4カ月長男虐待 それはデコピンから始まった 

千葉地裁(長橋和之撮影)
千葉地裁(長橋和之撮影)

 当時生後4カ月の長男に虐待を加え、重傷を負わせたとして傷害の罪に問われた元千葉県職員、石谷健二被告(24)の判決公判が先月29日、千葉地裁で開かれ、安藤範樹裁判長は懲役2年6月、保護観察付き執行猶予5年(求刑懲役2年6月)の有罪判決を言い渡した。自ら育児休暇を取得した「イクメン」が虐待に至った経緯とは-。

 石谷被告は高校卒業後、千葉県庁に入庁。働きぶりは真面目で勤務態度にも問題はなかったという。証人として出廷した父も「仕事の悩みは聞いたことがない」と話した。職場で知り合った女性と昨年1月に結婚し、同7月に長男が生まれ、被告は育児休暇を取得した。「男性の育児休暇の一例になれたらと思っていた」。育児への意欲は高く、「家族との時間に幸せを感じていた」という。

 しかし、幸せは長く続かなかった。被告は聴覚過敏を抱えていた。泣き声に対して過剰に反応する傾向があった。加えて、生後3カ月ごろ、妻の実家に帰省してから長男は、被告に人見知りをするようになった。泣き声が周囲に聞こえているのではないかという不安と「なんで自分だけ泣かれるのか」との思いが募り、次第にストレスを抱えていったという。そして、昨年11月22日ごろ、妻の入浴中に泣き出した長男の額にデコピンをした。これが最初の暴力だった。

 被告はその後同月24日~12月2日ごろまでの約9日間の間に6回もの虐待を加えた。拳で頭部を殴り、頭蓋骨を骨折させるなどエスカレートさせた。「無の気持ちだった。理性が働かなかった」。法廷で虐待時の心境をそう述べた。淡々と話すその口ぶりはどこかひとごとだった。「あなたしか頼る人のいない被害者が、その人から暴力をうけたことがどういうことか考えて」。裁判官からこう問われる場面もあった。

 判決理由で安藤裁判長は「被告人は“いまだ表面的とはいえ”反省の態度を示している」と厳しい表現を用いた。育児疲れによるそううつ病の影響などが考慮され、保護観察執行猶予付きの判決となった。しっかりと罪に向き合い、一日も早く「表面的でない反省」をしてほしい。

 (千葉総局 長橋和之)

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