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八王子スーパー強殺、30日で25年 遺留DNA型、指紋…続く捜査

スーパー「ナンペイ」殺人事件の現場。一夜明けた翌日の現場検証=平成7年8月1日
スーパー「ナンペイ」殺人事件の現場。一夜明けた翌日の現場検証=平成7年8月1日
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 無抵抗の女性3人を射殺する残虐な手口から「銃犯罪のターニングポイント」とされる東京・八王子のスーパー強盗殺人事件。捜査の長期化で新たな証言や物証の収集は困難を極め、犯行に至った背景や動機も絞り込めていない。犯人がパート従業員の稲垣則子さんを狙い襲撃した疑いも浮上する中、警視庁八王子署捜査本部は現場に残されたDNA型や指紋なども突破口に解決を目指す。

 閉店直後のスーパー事務所で起きた凄惨(せいさん)な銃撃事件には多くの疑問点が残る。売上金を狙った強盗犯との見方の一方、犯行時間は極めて短く、現金は奪われなかった。稲垣さんは事件当日の午後9時15分ごろ、事務所から知人男性に電話。約2分後の同17分、スーパーのそばにいた通行人が4発の発砲音を耳にしていた。

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 「強盗が目的なら2分はあまりにも短すぎる」(捜査幹部)。犯人のものとみられる足跡は、事務所入り口と3人の遺体を結ぶ導線上からしか見つかっていない。侵入直後に金庫へ向かった形跡があるが、室内を物色した形跡は皆無だ。

 捜査本部は、犯人に直結しうる物証を一つ一つ精査する「潰しの捜査」を続けてきた。現場の事務所周辺などから、吸った人物が不明のたばこの吸い殻計13本を発見。11本は元従業員の女性の吸い殻だった。残る2本は事務所外階段近くの通路に落ちており、それぞれ別の銘柄で異なる男性のDNA型が検出されたが、人物は特定されていない。

 粘着テープを使い、短時間で女子高校生2人の口をふさぎ、互いの手首を結び付けた手口からは、周到に役割分担をした複数犯の姿も浮かぶ。稲垣さんは縛られず、1人だけ暴行を加えられている。

 女子高校生の粘着テープからは指紋が採取され、平成17年ごろに病死した当時60代の男性と一部が一致。男性の知人が周囲に暴力団との交友をほのめかし、「拳銃や薬物ならいつでも用意できる」と話すなど、拳銃との接点を示唆する情報もあった。だが、指紋から浮上した男性は事件当時、現場にいなかった可能性が高く、指紋も不完全な形で採取されたもので、捜査本部は「証拠としては不十分」と判断している。

 使用された拳銃はフィリピン製の38口径「スカイヤーズビンガム」とみられ、警視庁は海外にも捜査員を派遣して製造元や流通ルートをたどったが、所有者などは特定されていない。

 事件は発生から四半世紀を迎え、関係者の記憶は薄らぎ、亡くなる人も相次いでいる。捜査関係者は「情報が浮かんでは消えの繰り返しで幾度も壁にぶつかった。被害者とご遺族の無念を一日も早く晴らしたい」と話す。捜査幹部も「DNA型や指紋など、事件解決への手がかりは消えていない」と執念をのぞかせた。

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