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「のんたん」放置死の母、自身も虐待経験 持ち得なかった「親のモデル」

 児童虐待の心理に詳しい神奈川大心理相談センターの杉山崇所長は「ネグレクトは目の前での子供の反応がなく、身体的虐待に比べて心理的ハードルが低い」と話す。

 西南学院大の安部計彦教授(社会福祉学)によると、ひとり親による子供の放置死事案では、ある程度の年齢まで熱心に養育したが突然放置する▽自宅を長期間不在にして異性を頼る-という共通点がある。安部氏は「子供を保育園に通わせず、ひとり親が働いていればネグレクトのリスクは高い」と指摘する。

●自身も虐待経験

 一方、沙希容疑者自身も虐待を受け、親元を離れた時期があった。

 関係者によると、小学2年の夏に当時住んでいた宮崎県内の自宅で母親から頭や顔を殴られ、体をビニールテープなどで縛られ放置された。十分に食事を与えられず、児童相談所が保護した際はあばら骨が浮き出るほどやせ細っていたという。

 当時、児童養護施設に入所したという沙希容疑者。捜査関係者によると、自身の虐待経験と稀華ちゃんの放置を結びつけるような言動はしていないが、杉山氏は虐待経験によって「リアリティーのある親のモデルを持ち得なかったのではないか」とみている。

 厚生労働省によると、29年度に虐待で死亡した子供52人(心中を除く)のうち22人が身体的虐待(42・3%)、20人がネグレクト(38・5%)だった。身体的虐待が近年減少傾向なのに対し、ネグレクトは3割前後で推移している。

 身体的虐待と異なり、親の不在による放置は表面化しにくく、特に乳幼児では死亡のリスクが高くなる。安部氏は「健診の未受診などのタイミングで行政機関が情報を共有する必要がある。虐待を見逃さないシステムづくりが重要だ」と話している。

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