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豪雨ボランティア本格化へ 課題はコロナ対策と人手不足

浸水した民家の片付け作業をするボランティアら=9日午後、熊本県芦北町(有年由貴子撮影)
浸水した民家の片付け作業をするボランティアら=9日午後、熊本県芦北町(有年由貴子撮影)

 九州で大きな被害を出した豪雨は、最初に特別警報が発表されてから11日で1週間。被災地では災害ボランティアセンター(VC)の開設が始まっている。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、ボランティアの募集対象を地元やそれぞれの県内に限定。被災者ニーズに対する支援不足も予想され、復興作業の長期化を懸念する声が上がっている。(有年由貴子)

 10日、熊本県人吉(ひとよし)市の社会福祉協議会は、家具の運び出しなどを行うボランティアの受け付けを開始した。被災地ではすでに受け入れが始まっており、活動を始めたボランティアもいる。

 被害の大きかった同県芦北町の佐敷(さしき)地区では9日、断続的に激しい雨が降る中、町災害VCから派遣されたマスク姿のボランティアらが、民家で大型家具の運び出しや泥のかき出し作業などを手伝った。住人の嶋田京子さん(72)は「夫と2人じゃ何もできん。本当に助かりました」と安堵(あんど)。支援に参加した熊本市の団体職員、中村和貴さん(24)は「熊本の中で支えなければと思って駆け付けた」と話した。

 一方、新型コロナは高齢者が重症化しやすい。県内で最も早く災害VCが立ち上がった芦北町は高齢者が多く暮らす。町社協はボランティアの受け入れを、事前登録した県内在住者に絞った。現地入り前の検温や県外への行動歴の報告を求めるほか、活動中はマスクを着用し、密集を避けてもらう。

 だが、感染防止対策の結果としてマンパワーが不足する。町災害VCによると10日午前8時現在で被災者からの支援要請は207件あるが、ボランティアの事前登録者は279人。1件あたり5~6人のチームを編成するため人手不足に陥る。担当者は「人は欲しいが感染防止策は怠れない。バランスを取るのは非常に難しい」と頭を抱える。

 熊本、福岡両県内では6日以降、約10の市町村で災害VCが順次開設されているが、いずれもボランティアの募集範囲を近隣地域や県内からに限定している。

 「被災者からの要請は非常に多いが、県内各地が被災しており人手が確保できるか心配」(人吉市災害VC)、「ニーズ調査が本格化した際に供給が追いつくか不透明だ」(福岡県大牟田市災害VC)などの声が上がる。

 ボランティアを新型コロナからどう守るかも課題だ。活動の際に加入を義務付けているボランティア保険は新型コロナ感染も補償対象となったが、被災地での感染をどのように証明するかといった難しさもあるという。

 福岡県久留米市社協の担当者は「被災地で感染が広がった場合、VCの活動そのものを停止せざるを得なくなる。全国からの支援は見込めず、作業中の『密』を避けなければならない。長期戦は覚悟している」と話した。

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