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職質への抗議が「人種差別反対」に…クルド人デモにちらついた不穏な影

偏見助長に失意

 一連の問題の中で「犯行予告」も起きた。6月10日、東京出入国在留管理局に対し、同局や渋谷署を名指しして「12日に手榴(しゅりゅう)弾を爆破させる。外国人が虐待されているからだ」などとするメールが届いた。

 不審物などは確認されなかったが、送信者は、米政府が過激な極左組織と認定する「アンティーファ(ANTIFA)で活動している者」を名乗り、警視庁が威力業務妨害容疑で捜査している。

 5月の渋谷でのデモ以降、日本クルド文化協会には「日本が嫌なら帰れ」「おとなしくしていろ」といった声が届いているという。友好協会の日本人担当者は落胆の色をにじませ、こう語った。

 「クルド人男性らの目的だった『職務質問への抗議』と米国の黒人差別は、根本的にかけ離れた問題であり、便乗されたことは間違いない。クルド人には長い時間をかけ、『郷に入っては郷に従え』の精神で日本社会への溶け込み方をアドバイスしてきたが、今回の件で彼らに対する偏見が助長されたと感じている」

クルド人 中東に住む民族。第一次世界大戦後に英仏によって引かれた国境線で居住地が分断され、総人口約3000万人がイラン、イラク、トルコ、シリアなどにまたがる地域に居住している。「国家を持たない世界最大の民族」として知られ、自治や分離独立を求める運動が相次いでいる。日本には2000人程度が暮らしているとされ、埼玉県に主要なコミュニティーがある。2015年(平成27年)には東京・渋谷のトルコ大使館周辺で、トルコ総選挙の在外投票で集まったトルコ人とクルド人の各グループ間で乱闘が起き、警視庁の警察官を含む約10人が負傷する事件があった。

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