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残業代や休業補償対象外…法のはざま「名ばかり事業主」

 こうした中、会社側は講師との委任契約を見直し、4月、直接雇用する方針で大筋合意した。大手企業が個人事業主との契約を改め、直接雇用に踏み切るのは異例という。

 同ユニオンを支援する清水亮宏弁護士は「名ばかり事業主として働いていた人たちが労働組合を結成して会社と交渉し、雇用化を勝ち取ったのは画期的」と指摘。「労働者のメリットだけでなく、会社としても長期的な人材育成や確保につながる先例になれば」と期待を込める。

紛争相次ぐ

 名ばかり事業主は、厚生労働省にも統計はなく実態は不明な点が多いが、働き方の多様化に伴って配達員や運転手、美容師、IT技術者、塾講師など幅広い職種で広がり、珍しい働き方ではなくなっている。

 直接雇用と異なり保険料や残業代を払う必要がない個人事業主との契約は、会社にとっては人件費負担の軽減につながる。個人事業主にとっても本来は、自由な時間の使い方や仕事の進め方ができる利点がある。だが「名ばかり」となるとそのメリットが一切ない。

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 こうした実態を問題視し、紛争となるケースが近年相次ぐ。

 ホテルチェーン「スーパーホテル」で個人事業主として働いていた元支配人らは、事実上ホテル側の指揮命令下で働き、長時間労働を余儀なくされたとして5月、労働者としての地位確認と未払い残業代などの支払いを求め東京地裁に提訴した。ヨガ教室大手「ヨギー」講師らは6月、コロナ禍の休業補償を求め、東京都労働委員会への救済申し立てを表明した。会社側は個人事業主であることを理由に、補償を支払わなかったという。

 宅配サービス「ウーバーイーツ」でも昨年、配達員が労働組合を結成して会社との交渉に臨もうとするなどの動きがあった。

 労働問題に詳しい松丸正弁護士は「名ばかり事業主は会社側が都合の良い働き手として使っていることもあり、長時間労働や過労死にもつながりかねない。実態に合った労働契約を結ぶ動きが、より広まるべきだ」と話している。

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