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池田小事件19年 本郷優希さん父「寄り添い続ける」

本郷優希さん(遺族提供)
本郷優希さん(遺族提供)

 本郷優希さん=当時(7)=の父、紀宏さん(55)はこの日も、19年前の優希さんの足取りをゆっくりとたどった。

 教室の中で刺され、致命傷を負っても懸命に「生きよう」と校舎の外を目指し、廊下を39メートルも歩いた優希さん。毎年、6月8日は優希さんに寄り添おうと、同じ時刻にその足取りをたどっている。倒れた廊下があった場所にしゃがみこんでそっと地面をなで、「いつもそばにいるよ」と心の中で語りかけた。

 優希さんが生きていれば、26歳。「結婚したりする年ごろですよね。お嫁に行くとなったら、親としてはやっぱり寂しいなあ」

 今春、未知のウイルスへの対応に揺れる世界に感じたのは、「何かが起きなければ、社会は変わらないのか」というやるせない思いだった。19年前、事件を機に学校の安全や心の教育の必要性が指摘され、社会は変わったとは思う。一方、コロナ禍の中で虐待やドメスティックバイオレンス(DV)被害が増えたというニュースに、心が締め付けられた。「命を大切にするという最も大切なことが、おろそかになっていないだろうか」

 求めに応じて平成16年から始めた講演は、150回を超えた。19年という月日が流れ、事件を知らない世代も増える中、自分が語ることで果たして、社会を変える力になれるのか。心もとないが、優希さんの気持ちに寄り添い続けることだけは、ずっと続けると決めている。

 優希さんも、見守り続けてくれるはずだ。

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