PR

ニュース 社会

迫る処理水タンクの限界…水との闘い続く 福島第1原発のいま

 分厚いコンクリート壁で囲まれた場内は、ビーカーや蒸留機器など理科の実験室を思わせる。空間放射線量率は自然界とほぼ同じ毎時0・06マイクロシーベルト。日々運び込まれる処理水サンプルを約200人が365日確認している。地元・広野町出身の池田幹彦さん(46)は「ここで出るデータに間違いがあれば廃炉に影響してしまう。復興の足を止めないようにしたい」と語った。

 事故が起きた1~4号機を見渡せる高台に立つと、短くなった解体中の1、2号機共用排気筒以外は、1年前から目立った外観上の変化はない。一方、3号機で燃料の取り出しが始まり、2号機ではデブリの取り出しに向けた準備が進むなど、廃炉は内部での作業フェーズに入った。

 政府などの廃炉工程表では、デブリの取り出し開始は来年中で、保管施設を早急につくる必要がある。処理水の判断が遅れれば、作業の遅滞も招き、事故から30~40年後の廃炉完了の目標もおぼつかなくなる。

 

■福島第1原発の処理水 1~3号機の原子炉建屋下部に溶け落ちた核燃料(デブリ)に、流入した地下水などが触れることで発生した汚染水を多核種除去設備(ALPS)で浄化処理した水。放射性物質のトリチウムはALPSで除去できず、敷地内のタンクに保管している。人体への影響が比較的小さいとされるトリチウムについては、国内外の多くの原発が基準値以下の濃度に希釈した上で海洋放出しているが、福島第1では風評被害に対する懸念から地元漁業者らが反発している。処理水のもとになる汚染水の発生量は、平成30年度で1日平均約170トン。ALPSは敷地内に3施設7ラインあり、現在は1施設のみで浄化処理が可能な量となっている。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ