「自分の命より大切な人を失った」 相模原の知的障害者施設殺傷事件犠牲者の母、陳述全文
事件後、家(うち)はめちゃくちゃになりました。社交的で老人会や自治会の活動に積極的に参加していた祖母が家に引きこもってしまい、一歩も外に出なくなりました。人と話をするのが好きだったのに誰とも話さなくなりました。料理や庭の手入れをするのが好きでしたが全くしなくなりました。笑顔が消え、表情がなくなりました。兄は具合が悪くなり、休み、休み、仕事をしていましたが入院することになり仕事を辞めました。私は食事をしても味がわからなくなり、9kgやせました。心療内科に通い薬を飲むようになりました。体が痛くて寝る時に骨が当たって痛くて眠れませんでした。1人で外出するのが怖くなり、外に出られなくなりました。がんばって外に出ると心臓の動悸がすごく、ドキドキしてブルブル全身が震えてしまうことがよくありました。今でもこの発作で震えてしまうことがあります。私の人生はこれで終わりだと思いました。自分の命より大切な人を失ったのだから。美帆がいなくなったショックで私達家族は、それまで当たり前にしていたことが何一つできなくなりました。
私達家族、美帆を愛してくれた周りの人達は皆、あなたに殺されたのです。未来を全て奪われたのです。美帆を返して下さい。
他人が勝手に奪っていい命など1つもないということを伝えます。
あなたはそんなこともわからないで生きてきたのですか。
御両親から教えてもらえなかったのですか。
周りの誰からも教えてもらえなかったのですか。
何て、かわいそうな人なんでしょう。
何て、不幸な環境にいたのでしょう。
本当にかわいそうな人。
私は娘がいて、とても幸せでした。決して不幸ではなかったです。「不幸を作る」とか勝手に言わないでほしいです。私の娘はたまたま障害を持って生まれてきただけです。
何も悪くありません。
あなたの言葉をかりれば、あなたが不幸を作る人で、生産性のない生きている価値のない人間です。
あなたこそが税金を無駄に使っています。あなたはいらない人間なのだから。
あなたがいなくなれば、あなたに使っている税金を本当に困っている人にまわせます。
あなたが今、なぜ生きているのかわかりません。
私の娘はいないのに、こんなひどいことをした人がなぜ生きているのかわかりません。
何であなたは一日三食ごはんを食べているのですか。
具合が悪くなれば治療も受けられる。
私の娘はもうこの世にいなくて何もできないのに。
あなたが憎くて、憎くて、たまらない。八つ裂きにしてやりたい。
極刑でも軽いと思う。
どんな刑があなたに与えられても私は、あなたを絶対に許さない。許しません。
私の一番大事で大切な娘、美帆を返して下さい。
美帆はこの世にいなくて、好きなことは何もできません。私達家族とあうこともできません。失われた時間はもう二度と取りもどせません。
でも、あなたは、こうして生きています。ずるいです。おかしいです。
19人の命を奪ったのに。美帆は、一方的に未来を奪われて19年の短い生涯を終えました。
だからあなたに未来はいらないです。
私は、あなたに極刑を望みます。
一生、外に出ることなく人生を終えて下さい。
2020年2月17日 美帆の母