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千葉・野田女児虐待死事件1年(下)守れなかった「ひみつ」の約束

 別の日にも母親に、児相職員宛ての手紙を書くよう言われ、スマートフォンを見せられた。画面には父親が考えた文面が書かれており、「書きたくない」と母親に言ったものの、結局書いた。

 「お父さんに叩かれたというのは嘘です」「ずっと前から早く(両親と妹の)4人で暮らしたいと思っていました」「児童相談所の人にはもう会いたくないので来ないでください」

 2月26日、父方親族宅を児相職員が訪れた。泣いてしまい、別室に移動させられたので職員と面談はできなかった。手紙は父親から職員に渡されてしまった。

 だが、約3週間後の3月19日、転校先の市立二ツ塚(ふたつか)小で児相職員との面談がかなった。手紙について聞かれると、「言っていいのかな」と小声で確認した上で、母親を通じて父親に書かされたものだと打ち明けた。「あそこに書いてあったのは、心愛ちゃんの気持ちとは違う感じ?」との質問には、「でもお父さんとお母さんと一緒に暮らしたいと思っていたのは本当のこと」と答えた。

 この日を最後に、児相職員が訪ねてくることはなかった。

 県の検証委員会が昨年11月にまとめた報告書の末尾には、心愛さんがアンケートで虐待を訴えたことについて、こう記している。

 「児童本人がこうした訴えをすることは稀(まれ)であり、勇気を持って訴えた本児は、何としても守られるべきだったし、救える命であった」

 勇気を出して訴えたのに、信頼関係や約束は次々に裏切られ、最悪の結果を導いた。

 =この企画は橘川玲奈が担当しました。

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