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【阪神大震災25年】次の巨大災害にどう立ち向かうのか 本紙座談会

■経験から学び「想定外」をなくす

 --さまざまな災害が続いていますが、阪神・淡路大震災の教訓は生かされているのでしょうか

 宮野 災害は常に別の顔を持って現れる。新潟地震(昭和39年)で液状化現象があり、宮城県沖地震(53年)は中高層の集合住宅が被害を受けた。阪神では、神戸市役所6階など建物の中間層の崩壊があった。どれも日本は経験がなかった。だから「次の災害に過去の経験をもって備えよう」といっても、どうしても難しい部分があります。

 --教訓は生かせないということでしょうか

 宮野 ただ、経験は貴重。災害経験があるからハザードマップの大切さも分かり、避難のタイミングも分かる。まず経験から学ぶ必要がありますが、イマジネーションを持ち続けなければいけない。災害を引き起こす実態も知らないといけません。海溝型、内陸型の地震の違いなど、自然現象の原理原則も知る必要がある。そこから経験、イマジネーションができ、想定外をなくすことにつながります。

 上坂 私は震災経験の大部分が災害対策に生きていると思います。阪神は80%以上が建物倒壊などによる圧死。阪神高速の橋脚倒壊などインフラも大きな被害があった。それまでの建築技術が想定していない揺れを考えるきっかけになった。ただ、多くの災害では、発生後に必ずといっていいほど「想定外だった」という言葉を聞く。過去の何倍かの被害が起きる想定で対策ができていない。単純に阪神を検証した範囲内での対策はできている部分はあるが、想像力の欠如があると思う。

 宮本 教訓はどの災害もハード面で生かされているが、ソフト面ではどうしても「風化」の言葉が出てきます。25年前の震災で「語り継ぐ」や「寄り添う」に象徴されるボランティア精神が生まれた。教訓が継続するかどうかは人の力次第だが、ソフト面を考えることはとても重要です。

 私も両親に震災当時のことを聞くきっかけがなかった。舞子高校環境防災科に入学したから、母に「当時妊婦で水の確保に苦労した」と聞けました。家族内の教訓を共有している神戸市民はどれだけいるんだろうと思います。個人が持つ小さな教訓が次世代にどれだけ生かされたかは見えづらい。

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