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【瓦礫の教えはいま 震災25年】(3)災害ごみ、危機感薄い自治体 処理計画策定28%のみ

 「大型処分場などがあったのは不幸中の幸い。なければ問題がより深刻化していた」と振り返るのは、当時、兵庫県宝塚市の廃棄物担当だった影山修司環境部長。「スムーズな対応のため、他市や業者と普段から協力関係を築くことが不可欠だ」と訴える。

 震災20年を迎えた平成27年、兵庫県は当時の災害廃棄物対応を検証。大型処分場が極めて重要だったと結論づけた上で、全国に向けて処理計画の重要性を指摘し、大型処分場の早期整備を促した。重要な提言だったが丸森町の職員は「正直知らなかった」と漏らす。

 ■演習で課題実感

 国は現在、各自治体に処理計画の策定を進めるよう求めている。23年の東日本大震災で計約3100万トンのごみが出たが、多くの自治体で仮置き場が決まらず、ごみの広域処理の調整に多大な時間を要したことが背景にある。

 ただ現実は厳しい。環境省によると、策定済みの市区町村は29年度末で約28%。7割強が丸森町同様計画がない状態だ。環境省の担当者は「災害未経験の自治体は危機感が薄く、計画を作ることができる専門職員などマンパワーが少ないのが要因」と分析する。

 状況を打破すべく、環境省は今、自治体に災害ごみの処理対応を模擬体験する「図上演習」の実施を呼びかけている。実際に昨年12月、大阪府主催の演習に参加した四條畷市職員は「仮置き場の配置などが難しかった。市の処理計画は未策定だが、より具体的に災害を想定した備えが重要だと感じた」と感想を語った。

 もっとも「計画は作ったら終わりではない」と強調するのは、災害ごみ処理の対応を研究する立命館大の森道哉教授(行政学)だ。

 「刻々と変化する環境の中でさまざまな災害の場面を想定した対策が重要だ。災害対策に終わりはない」

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