小5から飲酒…19歳少年がスナックで客を撲殺するまで
注意する大人おらず
伸びかけの丸刈り頭で法廷に現れた少年。大阪地裁で開かれた裁判員裁判では、事件の経緯とともに、少年の生い立ちや家庭環境が明らかにされた。
4歳のころ両親が離婚。沖縄へ転居後、不登校となった。そして小学5年から飲酒習慣が始まったという。
「中学生のころはビール2~3缶に泡盛の水割りを3杯くらい飲んでいた」
「酔うとよく眠れるし、楽しい気分になれるから」
被告人質問で淡々と語った少年。自宅や友人の家だけでなく、母親が働くスナックなどでも飲酒を重ねていた。しかし強く注意する大人はいなかった。
中学卒業後は職を転々とし、17歳のころからは父親と同居。愛知や大阪で暮らすようになった。
病院でパニック障害などの診断を受け薬を飲むようになったが、飲酒癖は一向に治らない。証人として出廷した父親はこう述べた。
「ビールくらいなら、という気持ちがあった。面と向かい『飲むな』ということはありませんでした」
「笑われたと感じた」
事件についての少年の記憶はあいまいだった。
事件前日、知人の大人に連れられ現場のスナックで大量飲酒したという少年。「酒を飲みたいという気持ちが抑えられなかった」といい、翌日、再び同店を訪れ、事件を起こした。