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「最強の捜査機関」復権なるか 17年ぶり政界汚職摘発 “敏腕部長”に情報集中 政治家側に緩みも

 実力者だった小沢氏への捜査不発に追い打ちをかけたのが、同年に発覚した大阪地検特捜部検事による証拠改竄(かいざん)事件。検事が描いたストーリーに沿って証拠をゆがめるという前代未聞の不祥事で「特捜部不要論」まで浮上した。不祥事を受けた検察改革の一環で、特捜部自ら事件を掘り起こす独自捜査専門の「特殊直告班」は2班から1班とされるなど態勢が縮小された結果、大型事件の摘発から遠ざかった。

 ■「絶大な信頼感」

 転機は29年9月、敏腕検事で「事件積極派」として知られる森本宏氏(52)の特捜部長就任だった。就任時に「国民が不公正や不公平と思うような事件、水面下に隠れて見えない事件を見つけ出し、刑事責任を問う」と意気込みを語った森本氏は、スーパーゼネコン4社によるリニア中央新幹線建設談合や文部科学省幹部の汚職などを次々と手がけた。日産自動車のカルロス・ゴーン会長(当時)の逮捕は世界中に大きな衝撃を与えた。

 そして今回の現職国会議員の逮捕。背景に何があるのか。宗像弁護士は「森本氏はリーダーシップがあり、上から『果敢にやれ』と言えば、部下の特捜検事の士気も上がる」と話す。

 森本氏の下で捜査経験のある元検事は「国税当局や証券取引等監視委員会など関係機関に『森本氏なら必ず事件にしてくれる』という絶大な信頼感がある。例えば国税が調査に入った際、脱税事件にならなくても不審な金の動きなどを森本氏に伝えると、それが別の端緒になる」と明かす。

 森本氏の在任は3年目に入った。近年は1年程度での交代が多い特捜部長の中では異例の長期となっているが、高井弁護士は「能力の高い特捜部長の在任期間が長いことも大型事件の摘発につながった要因の一つ」と分析する。

 一方、政官財界の不正の監視役を担ってきた特捜部が長年低迷していたことで、捜査対象となる側の“緩み”を指摘する見方もある。今回の事件では現金の授受は衆院議員会館にある秋元容疑者の事務所で行われた疑いが持たれている。宗像弁護士は「長い間、国会議員を逮捕していなかったからなのか、大胆であまりに無警戒」と指摘する。

 特捜部は、描いたストーリーに沿って供述を引き出そうとする強引な取り調べが批判され、独自捜査の取り調べも録音・録画の対象となった一方、新たな武器として司法取引も導入されるなど捜査を取り巻く環境は大きく変化している。宗像弁護士は「今後も司法取引などを活用して端緒をつかみ、もっと深い所に切り込む捜査をするべきだ」と話している。

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