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「覚悟は決めた」 台風19号から日常取り戻すために歩む住民 宮城・丸森

 8年前、亡き夫の古里である丸森町に移住。風光明媚(めいび)な土地で地域の人とふれあう中で、震災からの悲しみはやわらぎ始めていた。しかし、再び被災。すみよさんは12日午後に避難し、不安を抱えたまま3日間を過ごした。家に戻ると、泥まみれの畳や横転した家具が目に飛び込んだ。

 断水が解消し、少しずつ片付けも始めた。近所の人も手伝ってくれる。「町のいいところ。人が温かい」。それでも、寂しさと不安に襲われ、ふと涙がこぼれる時があるという。

■ ■ ■

 穏やかな川の水流は台風によって濁流へと変貌し、日常の生活を飲み込んだ。ただ、日常を取り戻すための歩みは始まっている。

 丸森町の観光の目玉の1つである「阿武隈ライン舟下り」は中断を余儀なくされたが、今月3日に再開した。紅葉が見頃を迎える11月は観光客でにぎわう時期。船5隻は無事だったが、台風上陸後は団体ツアーの中止が相次いだ。

 計8キロの航路では、色づき始めた木々の間から崩落した巨岩や倒れた電柱も見え、台風の爪痕の大きさを物語る。「水の恐ろしさも感じると思うが、きれいな景色を見てほしい」。船頭の滝野正浩さん(59)は言葉に力を込める。

 「こんな時に再開していいのか」と自問自答したこともある。それでも「覚悟は決めた。船頭が仕事だから」。滝野さんは傷ついた町で、船を走らせ続ける。(千葉元)

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