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原発事故の風評被害に苦しみ、再度「被災」…農家たちの苦闘

 沿道で直売店を営む友田忠さん(74)は「リンゴがおいしいのはこれからなのに」と肩を落とす。長野県によると、風で果実が落下したのと違い、果樹が軒並み水を被っているため、今後、病気が発生するリスクが高いという。

 全国一の収穫量を誇り、「とちおとめ」で知られる栃木県のイチゴも、クリスマスシーズンを控えたかき入れ時だった。思(おもい)川(がわ)の氾濫でビニールハウスが全半壊した同県鹿沼市の大越正啓さん(69)は「今年はもう出荷は無理」と諦めの表情。長男の秀紀さん(41)も「年内に出荷できないと収入が厳しい。今後のことを考えるのも怖い」と険しい表情を浮かべた。

 阿武隈川の氾濫で冠水した福島県伊達市梁川町でも宍戸里司さん(67)のキュウリ栽培のビニールハウス3棟が深さ約1・5メートルまで水に浸かり、出荷間近のキュウリのほとんどが駄目になった。「収入が減るのは明らか」と肩を落とした。

 ■ボランティアが支援

 再建への道のりは容易ではないが、救いの手もさしのべられている。

 11月2~4日の3連休には、被災地に多くのボランティアが集結。長野市のボランティアセンターにも朝から多くの人が集まった。所沢市の男性(56)は「リンゴの木や田んぼが泥にまみれ、元の生活が戻るまで当分かかるだろうと思い、また来た」と話した。

 いわき市の草野さんの元にも有志のボランティア約700人が全国から駆けつけ、復旧作業に汗を流した。このほど、400坪分のハウスから泥を搬出する作業が終了。運び出した泥は、土嚢(どのう)約7千袋分に相当したという。

 ボランティアの内、友人など面識のある人は1割ほど。多くは草野さんの青ネギのファンだったという。「当面は生活圏の復旧が最優先だが、ウチのネギを食べたいという思いには必ず応えたい」。草野さんは力を込めた。

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