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【山口組ナンバー2出所】抗争激化で切り札の特定抗争指定も 警察当局

佐々木一家事務所に到着し、車を降りる高山清司若頭=令和元年10月18日午前10時23分、名古屋市南区
佐々木一家事務所に到着し、車を降りる高山清司若頭=令和元年10月18日午前10時23分、名古屋市南区

 指定暴力団山口組ナンバー2の高山清司若頭が18日に出所し、警察当局は「山口組」を掲げる3団体の封じ込めに向けて正念場を迎えた。警察はすでに主要組事務所の使用を制限しているが、対立抗争が激化した場合には、取り締まりの切り札とされ、さらに厳しい制限をかける「特定抗争指定暴力団」の適用を検討するとみられる。

 山口組は平成27年8月に分裂し、離脱グループが神戸山口組を結成。29年4月には神戸山口組を離脱した勢力が現在の任侠山口組を立ち上げ、正統性を主張する3団体の覇権争いが続いている。各団体の衝突は分裂直後と比べると減少し、山口組による切り崩し工作などが行われているが、依然として死者を伴う発砲事件も起きている。

 高山若頭が出所する直前の10日には、神戸市中央区の住宅街で山口組系組員が神戸山口組系組員2人を射殺。銃器使用は過去の暴力団抗争の主流攻撃手段だ。約100人の死傷者が出た「山一抗争」(昭和59年~平成元年)では、関連事件300件超の8割以上で銃器が使われたとされる。

 各地の警察は10日の銃撃事件を受けて山口組総本部(神戸市)を含む4府県の主要組事務所約20カ所の使用制限に踏み切ったが、今後も報復が連鎖し、市民に危険が及ぶ場合には「特定抗争指定暴力団」への指定が現実味を帯びることになる。

 特定抗争指定は平成24年の改正暴力団対策法に盛り込まれた規制強化策だ。指定されると、組員らは警察当局が設定した警戒区域内で、5人以上の集合▽対立暴力団組員へのつきまとい▽対立組事務所付近での徘徊▽使用禁止の事務所への出入り-などをした場合、即座に逮捕され得る。

 過去に指定されたのは、平成24年12月に道仁会(福岡県久留米市)と九州誠道会(当時、同大牟田市)の抗争をめぐり、双方が特定抗争指定暴力団に指定された例があるのみだが、九州の4県で多数の市町が警戒区域に設定され、抗争沈静化のきっかけになった。

 警察関係者は「特定抗争指定暴力団の指定で事務所で定例会合も開けなくなり、組の活動を大きく制約できる切り札だ」と指摘し、「『山口組』の名称を掲げる団体が1つになるまで争いは続く」との見方を示した。警察庁の栗生俊一長官は事態の推移に応じ、暴対法を効果的に活用する意向を示している。

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