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【台風19号】阿武隈川「決壊連鎖」 南から北への流れ、台風の進路と並行に

 台風19号に伴う記録的な大雨に見舞われた福島県と宮城県では、阿武隈(あぶくま)川が41カ所で連鎖的に決壊した。南から北へと向かう川の流れは台風の進路と並行しており、豪雨により全域の水かさが持続的に急増。支流の水が本流との合流地点で行き場を失い、逆流してあふれ出す「バックウオーター現象」が多発して、次々と堤防を破壊していった可能性がある。

 「水がジャブジャブと渦巻いていた」。福島県本宮市で阿武隈川の堤防近くに暮らす男性(55)は、13日未明の決壊で押し寄せた濁流の様子をこう証言する。同市では阿武隈川と支流の安達太良(あだたら)川の2つが相次いで氾濫し、市街地の浸水で7人が犠牲になった。

 国土交通省によると、阿武隈川では支流を含め41カ所が決壊。那珂(なか)川(14カ所)や久慈川(7カ所)と比較しても格段に多い。

 阿武隈川は何が違ったのか。その原因について、土木学会の現地調査団に加わった福島大の横尾善之准教授(流域水文学)は、北から南へと流れる那珂川や久慈川と逆に、南から北へと流れる阿武隈川特有の川筋を挙げる。「偶然にも台風が川筋と並行に進んだことで、大雨が川の流れに沿って降り続けた」というわけだ。

 河川の一点で雨が降った場合、その水域が一時的に増水してもしばらくすれば下流へと流れて上流の水かさは減る。しかし今回は、降雨が川の流れと同じ方向に移動したため、下流の水位も上がり、上流からの水を受け流すだけの余裕がなくなった。その結果、各所で堤防の限界を超える増水が起こったとみられる。

 防災科学技術研究所(茨城県つくば市)は、阿武隈川流域の一部では12日午前0時からの24時間で「100年に1度」と想定される量を超える雨量だったと分析する。100年に1度の雨は福島市では計算上は180ミリだが、今回は220ミリ前後だった。阿武隈川の本流は12日深夜から13日未明にかけ、福島県に8地点ある国の主要観測所の全てで観測史上最大の水位まで上昇した。

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