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【台風19号】「地下神殿」首都圏外郭放水路、氾濫防ぐ

周辺河川から水が流入した首都圏外郭放水路の調圧水槽=14日、埼玉県春日部市(江戸川河川事務所提供)
周辺河川から水が流入した首都圏外郭放水路の調圧水槽=14日、埼玉県春日部市(江戸川河川事務所提供)

 台風19号による豪雨で埼玉県内でも多くの河川が氾濫した。県西部では東松山市で都幾(とき)川が氾濫するなどして被害が出たが、県東部は巨大地下放水路「首都圏外郭放水路」(同県春日部市)の稼働によって周辺河川の氾濫が食い止められたようだ。

 放水路は地下50メートルを流れ、全長は約6・3キロもあり、その巨大さから「地下神殿」とも呼ばれる。平成5年に着工し、完成は18年。総工費は約2300億円に上った。

 放水路のある周辺は土地が低いため、過去にはたびたび水害に遭っていた。そこで、近くを流れる中川などの5つの河川の氾濫を防ぐため、大雨が降った場合にこれら河川から水を取り込み、トンネルを通じて江戸川に排出する仕組みになっている。放水路全体で、東京ドームの半分にあたる約67万立方メートルの水を一時ためることもできる。

 国土交通省関東地方整備局江戸川河川事務所によると、台風19号では12日午前11時半から雨水の取り込みを始め、午後7時ごろに江戸川への排出を始めた。今回は5河川から同時に水を流入させたフル稼働状態で、平成27年9月の台風18号による関東・東北豪雨以来だという。

 12~15日に東京ドーム9個分にあたる約1150万トンの水を排出。18年の全区間の稼働以来、過去3番目に多い排出量となり、同事務所は「今のところ、周辺地域で大きな浸水被害があったとは聞いていない」と説明する。

 台風19号では多摩川や千曲(ちくま)川などの大きな河川だけでなく、中小河川の氾濫も相次いだ。放水路は今後、防災インフラとしてクローズアップされそうだ。(黄金崎元)

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