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【主張】愛媛の誤認逮捕 警察にあるまじき失態だ

 社会の安寧は警察が守る。警察や司法に信頼、信用が置けなければ、この大前提が崩れる。

 警察が自らをおとしめるような行為は到底、許されない。あるまじき大失態である。警察失格、と言っておく。

 愛媛県警松山東署が、タクシーで現金などを盗んだとして女子大生を7月に誤認逮捕し、2日後に釈放した。県警は裏付け捜査を怠ったとの調査結果を明らかにした。

 その経緯は、驚くほどいいかげんなものだった。

 複数の客が乗ったタクシーからの降車時、助手席の女が運転手のセカンドバッグを盗む様子がドライブレコーダーに写っていた。

 女は女子大生が住んでいるアパートに入った。県警は女子大生が女と似ていると思い込み、顔画像鑑定の結果も過大に評価した。

 写っていた女の財布や携帯電話の特徴は女子大生のものとは違っていたのに、調べを怠った。

 車内の会話の音声データには氏名を推測させる女の愛称も残っていたが、捜査員は聞き取っていなかった。あまりに怠慢だ。

 思い込みだけで、十分な裏付け捜査や周辺捜査をしないまま逮捕している。素人に等しい。捜査のイロハをまるで踏み外しているとしか、言いようがない。

 ずさんな捜査を見抜けず、逮捕状を出した裁判所も勾留請求を行った検察庁もお粗末である。

 ドライブレコーダーや防犯カメラの映像は近年、事件を解決に導く有力な手がかりとなっている。顔画像鑑定なども含めた文明の利器は確かに捜査の役に立つが、過信してはいけない。証拠の採用には徹底した検証を要する。

 無実の容疑を着せられた女子大生は釈放後、「手錠をかけられたときのショックは、忘れたいのに忘れることができない」とコメントした。

 聴取で、県警は女子大生に「君が認めたら終わる話」「認めないから悪い方へ行っている」などと迫ったのだという。

 事実なら自白の強要、誘導以外の、何物でもない。県警が県議会で「自由な意思決定を阻害したとは認められない」としたことに女子大生は改めて「自白の強要をされたという認識に変わりはない」とコメントした。うやむやに終わらせてはならない。真実を明らかにして警察、司法に真摯(しんし)な反省を求める必要がある。

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