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【アジア見聞録】「火星のような赤い空」それでもインドネシアの森林火災はなくならない

インドネシア・ジャンビ州で撮影され、ソーシャルメディアに投稿された赤い空。火災による大気汚染が原因とみられる(INSTAGRAM @DANI_KHOLIK=ロイター)
インドネシア・ジャンビ州で撮影され、ソーシャルメディアに投稿された赤い空。火災による大気汚染が原因とみられる(INSTAGRAM @DANI_KHOLIK=ロイター)

 インドネシア・スマトラ島とカリマンタン島で発生した森林火災が拡大している。インドネシアに限らず、隣国シンガポールやマレーシアで健康被害や学校閉鎖などの煙害をもたらしており、外交問題にも発展する。アマゾンの熱帯雨林に続き、東南アジアで発生する大規模な森林火災。国境を越える汚染は、国際的な問題だといえる。(シンガポール 森浩)

■広がった煙害、20万人が体調不良

 「まるで火星のようだ」

 SNS(ソーシャルメディア)上で9月、スマトラ島で撮影されたという真っ赤な空の動画が拡散した。大気汚染の影響とみられるが、あまりに異様な光景に驚きの声が集まった。

 インドネシアでは毎年のように森林火災が起きており、今年は7月ごろに発生。例年より乾燥した気候だったことなどから拡大し、収束の気配は見えない。火災の発生地点は日によって変動するが、10月1日現在、スマトラ島だけで563カ所に達する。

 火災は炭化した植物でできた「泥炭地」で発生しており、表層が鎮火したようにみえても地下では燃え続けているケースが多い。煙には微小粒子状物質「PM2・5」が含まれる。大気汚染は東南アジアに拡大し、煙はタイ南部にも到達した。

 インドネシア国内では、目や呼吸器の不調を訴える住民が20万人以上に達し、学校の休校が続出した。マレーシアでも大気汚染が基準を超えたことによる休校が相次ぎ、最大約1500校に達した。目やのどの痛みを訴える人も相次ぎ、政府は国民にマスクを配布。煙害を軽減させるため、上空に化学物質を散布し、人工的に降雨を促す対策を取った。

 国連のまとめでは約1000万人の子供の健康に影響を与える可能性があるという。

 あまりの煙害にマレーシアとシンガポールはインドネシアに抗議し、消火活動への支援も提案した。

 こうした近隣国の動きに対し、インドネシアはあくまで内政問題とのスタンスだ。ヌルバヤ環境相はロイター通信の取材に「火災はマレーシア企業が所有する土地でも起きている」と発言。消火活動支援の受け入れにも消極的だ。

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