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京アニ劇場版、エンドロールに刻まれた全スタッフの名と「生きた証」

 キャラクターデザインに起用されたのも若手の高瀬亜貴子さん。線が多く、繊細なタッチの絵が特徴だ。事件で犠牲となった京アニ作画の大黒柱、寺脇(池田)晶子(しょうこ)さん(44)は「響け!-」の2作目の解説動画で、「(高瀬さんの描くキャラは)つやっぽかった。線が多くて動くかなって思うくらい」と評価していた。

 若手が中心となった今作。それを支えたのは長年京アニを背負い、事件の犠牲となったクリエーターたちだった。

 背景の作画をとりまとめる美術監督をテレビ版に続いて担当したのは、渡辺美希子さん(35)。ファンにとって、「ヴァイオレット-」は渡辺さんの代表作ともいえる作品だ。

 シリーズ公開前に放映された数十秒のCM。渡辺さんが担当した背景は、短時間でシーンが入れ替わっても繊細な美しい絵が乱れず、「鳥肌が立った」「美しさを超えて感動の域」とファンの心をふるわせた。

 ヒロインの商売道具「タイプライター」を描いた小物担当の一人は、「けいおん!」「響け!-」で楽器を描き、事件で犠牲となった高橋博行さん(48)。物語に欠かせないタイプライターは、高橋さんの緻密な作画で、確かな存在感で迫ってくる。

 原画をつないで動きをもたせる動画を担当したのは、事件で犠牲になった石田敦志さん(31)。石田さんを含む犠牲者25人の名前が公表された先月27日、父の基志さん(66)は会見して「動画を自然に、しかも美しく動かすことにこだわっていた」と振り返り、「石田敦志というアニメーターがいたことを忘れないでください」と涙ながらに語っていた。

 京アニはこれまで、エンドロールには1年以上の経験者の名前しか掲載していなかった。基志さんによると、敦志さんは初めて自分の名前が「けいおん!」2作目のエンドロールに載ったとき、「さすがにうれしそうだった」という。エンドロールに名前が載るということは本人や家族にとって誇りであり、夢であり、希望だった。

 エンドロールに刻まれた、一人一人の生きた証し。大阪市中央区の会社員、入江秋帆さん(23)は「作品に携わった中に亡くなったと報道された人の名前が出て、涙が止まらなかった。京アニはこれからも頑張ってほしい」と声を詰まらせた。

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