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東大修士の「林業女子」 震災復興の現場で活躍

「林業女子」の佐野薫さん。震災復興と林業、現場と学問の橋渡し役として厚い信頼と期待を受けている=宮城県南三陸町(関厚夫撮影)
「林業女子」の佐野薫さん。震災復興と林業、現場と学問の橋渡し役として厚い信頼と期待を受けている=宮城県南三陸町(関厚夫撮影)

 東日本大震災で甚大な被害を受けた経験から「人と環境にやさしく、災害に強いまちづくり」の一環としてバイオマス産業都市構想を推進している宮城県南三陸町。それまでは東北とほとんどかかわりのなかった東京大大学院の修士号をもつ「林業女子」が移住し、町の特産品である杉の残材を利用した木質ペレットによるバイオマスエネルギー事業育成の中核となって活躍している。震災から8年半。若い世代による新たな復興支援のかたちである。(編集委員 関厚夫)

 「地域のために生きてゆくこと、斜陽産業と言われている林業の復興を考えることをライフワークにしたいと考え、それを実現できる自治体を探していたところ、希望通りの募集していたのが南三陸町でした」

 そう話すのは佐野薫さん(29)。千葉県に生まれ、宇都宮大農学部と東大大学院農学生命科学研究科修士課程で森林科学を専攻。昨年末、町内の「未利用資源の活用」を目的とする合同会社MMR(設立・2015年)の事業企画推進を担当する南三陸町地域おこし協力隊員(同町非常勤特別職)に就任した。

地元から強い期待

 MMRはそれぞれ林業・運送業・土木建築業を専門とする3社で構成。佐野さんは現在、木質ペレットの原料となる丸太を安定的に確保するために地元森林組合や所有者との連携役を務めるとともに、MMRと南三陸町の連絡・調整、また木質ペレットを燃料とする暖房用ボイラーの販路開拓も担当している。

 また将来的には町内にペレット製造工場を建設し、「震災からの復旧ではなく復興、また歴史的に自然災害や過疎問題に直面している地域におけるエネルギーの自給自足モデルを確立し、同様の悩みを抱える地域にも“横展開”できれば」(佐野さん)という。

 そんな佐野さんに地元は厚い信頼を寄せている。MMR代表で、江戸時代から続く林業「佐久」専務の佐藤太一さん(34)は「佐野さんはともすれば『本業』に目がゆきがちなわれわれを束ねてくれる大事なキーマン。『協力隊員』の任期(3年間)に関係なくできるだけ長く、地域の自立と林業復興に力を貸してほしい」と話す。

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