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【子と親の離別~揺らぐ親権制度】(中)父「何かできなかったか」別居の娘救えず 死後も親権の壁 

 「もっとやれたのにね。バカだった。悪かった」

 広島市の公務員、江邑(えむら)幸一さん(46)は、離れて暮らしていた長女の命を守れなかったことを悔やみ続けている。長女は平成26年11月、自宅で首をつり自殺した。16歳だった。

 元妻が突然、長女と次女を連れて家を出た約半年後の18年3月、江邑さんは娘たちの親権を失い、元妻との離婚が決まった。以来、元妻と娘たちは山口県で暮らしていた。

 江邑さんによると、長女は家庭内で孤立。児童相談所の支援を受け、児童養護施設を経て一時保護所の入退所を繰り返した。県が開示した児相の記録によると、「自宅の生活は限界」などと訴えていたが、児相が親元に返す「家庭引き取り」を決定した。自殺はその2カ月後だった。

 江邑さんに全く予感がなかったわけではない。「お父さん、死にたい」。生前、長女から何度か電話があった。誰にも言わずに家出し、夜、広島に来たこともあった。長女を捜索する警察に「娘がこちらにいたいと言っているので、いさせてもいいか」と聞くと、「連れてこないと逮捕します。母親が悲しんでいる」と言われた。

 長女の死後、仕事が手につかなくなった。「何かできなかったか」と自分を責める一方、「親権を持つのは母親側。親権者や児相がなぜちゃんと娘と向き合えなかったのか」との疑問がくすぶる。

 《たぶん期待してたんだ。だれかが家にかえらなくていいなにかを提案してくれることを》。長女の26年の日記からは、自宅以外での生活を強く望む気持ちが読み取れる。《消えたい。児相だって母さんの味方やんか》《(母親と)まじで上手(うま)くいかない。いしそつうもはかれない》。言葉に葛藤(かっとう)がにじんでいた。

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