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【池田小事件】酒井麻希ちゃん両親「社会が意識の共有を」

 学校で子供が巻き込まれる悲しい事件が二度と起きないよう、教訓を生かしてほしい-。大阪教育大付属池田小(大阪府池田市)の児童殺傷事件から18年。遺族が願い続けてきた学校の危機管理マニュアルづくりが、ようやく進み始めた。子供がねらわれる事件が後を絶たない中、遺族は「社会が意識を共有できるように、池田小こそ先頭に立ってほしい」と願う。

 事件で犠牲になった酒井麻希さん=当時(7)=の両親は、「娘の死を無駄にしたくない」と、麻希さんにつながる全てのことに全力で取り組んできた。

 事件を機に、全国の学校で安全対策が進んだが、実は池田小事件の正式な調査報告書は、18年たった今も作成されていない。夫妻は、「事件の教訓を生かすには、何が起きたかという事実をふまえ、具体的な再発防止策を講じることが必要」と大学側に作成を求めてきたが2年前、「当時の情報を集めるのは困難。作る予定はない」と宣告された。

 池田小でも当時を知る教職員が佐々木靖校長(57)のみとなる中、危機感はさらに募った。あのとき、何をどうすべきだったかという実体験に基づく再発防止策が講じられなければ、教訓は生かされないのでは-。夫妻は、事件の教訓をふまえた具体的な危機管理マニュアルの作成を模索した。

 麻希さんの母、智恵さん(58)は文部科学省の「学校事故対応に関する指針」づくりに、有識者会議のメンバーとして参加。その後、文科省は指針を踏まえた危機管理マニュアル作成の手引きも示した。夫妻は今度こそ、池田小を含む全国で対応が進むと期待していた。

 だが4月、お茶の水女子大付属中学校(東京都文京区)で秋篠宮ご夫妻の長男、悠仁さまの机に刃物が置かれる事件が発生。麻希さんの父、肇さん(57)は、犯人がやすやすと教室内にたどり着いたことに衝撃を受けた。「悪意を持った大人が校内に入ってしまうと、止めることは難しい。『不審者を侵入させない』は、池田小事件の大きな教訓の一つなのに、社会的に共有されていない」。マニュアル整備は喫緊の課題だと、改めて感じた。

 川崎市で発生した殺傷事件にも、夫妻は衝撃を受けた。智恵さんは「子供を守るのは結局、人々の意識。防犯機器などのハードは、あくまでも意識を補完するものだと思う」と話す。

 夫妻は、佐々木校長から教訓を盛り込んだ危機管理マニュアルの作成に取りかかったと聞いた。「誰が見ても、『事件の教訓はこういうこと』と具体的に分かるものを作ってほしい」。遺族として、できる限りの協力を惜しまないつもりだ。

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