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【池田小事件18年】「今度は私が支えたい」友達失った女性、ガンバ大阪スタッフに

事件の経験を糧に、ガンバ大阪のスタッフとして働く渡辺怜奈さん=吹田市
事件の経験を糧に、ガンバ大阪のスタッフとして働く渡辺怜奈さん=吹田市

 児童8人が死亡、教師を含む15人が重軽傷を負った平成13年6月の大阪教育大付属池田小(大阪府池田市)事件は8日で18年となる。当時2年生で、乱入してきた男に体当たりされた渡辺怜奈(れな)さん(25)は今、サッカーJリーグ・ガンバ大阪のスタッフとして活躍している。幼なじみを失ったが、選手の慰問で元気づけられた経験から「多くの人を笑顔にしたい」とチームを支えている。

 18年前のことは、今も記憶に残っている。8日午前10時10分過ぎ、休み時間に入った直後だった。校舎1階の教室にいると突然、刃物を持った男が何かを叫びながら入ってきた。

 大きな男の体は、渡辺さんにぶつかった。何が起きたか分からなかったが、とっさに「逃げないと」と、必死で逃げた。廊下に出て階段下のスペースに身を隠したとき、すぐそばで担任が男と格闘している姿が見えた。

 その日は、何が起きたのか分からないまま帰宅。しばらくたってから、母親から同級生らが亡くなったことを告げられた。その中に、同じ幼稚園に通っていた幼なじみがいた。

 自宅が近いため家族ぐるみの付き合いがあり、同じ電車で登下校していた。クラスは違ったが、昼休みに遊ぶことも。当時泣き虫だった渡辺さんを、よく励ましてくれた。「縄跳びが上手で、本当に優しい子だった。『もう会えない』と、悲しくてたまらなかった」

 学校再開から間もないころ、ガンバの選手らが同小を訪れ、サッカー教室を開いてくれた。大阪府吹田市の万博記念競技場で行われた試合に招待され、抽選で選ばれて選手に花束を渡したことも。「とても元気づけられた」渡辺さんは、ガンバファンになった。

 大学1年のとき、チームはJ1からJ2に降格。「今度は私が支えたい」と、ボランティアの「ガンバガール」に応募し、採用された。観客を盛り上げ、イベントを手伝うなどの活動に打ち込んだ。

 大学卒業後、一度は別の企業に就職したが、2年前にガンバへ転職。現在はファンクラブのイベント企画などに携わる。「一番お客さんに近いところで仕事ができ、楽しい」毎日だ。

 先月28日に川崎市で起きた殺傷事件のニュースは「時期も近くて、自分が経験したことのように感じてしまうから、見ていてつらい」とも。それでも、「事件を経験した『かわいそうな子』とは見られたくない。明るく頑張る姿を見せたい」と、前を向いた。

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