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【変わる法廷 裁判員制度10年(1)】崩れた供述依存 コールドケース、物証で光

 「罪を償いたい」。昨年11月、警視庁の事情聴取を受けていた男(43)は「自分がやった」と暴行を認め、わずか1歳で命を終えた女児への償いを口にした。

 平成19年3月、1人の女児が硬膜下血腫などによる気管支肺炎で死亡した。東京都新宿区のマンションで頭蓋骨(ずがいこつ)骨折を負い、病院に搬送されていた。当初、119番通報した義父の男は「目を離した隙にこたつから落ちた」と説明したが、警視庁は虐待を疑った。男が暴行を認めたのは3回目の聴取。女児の死亡から10年以上が経過していた。

 「コールドケース」(未解決事件)となっていた女児死亡の経緯に光を当てたのは、徹底的な証拠の洗い直しだった。

 未解決事件などを扱う捜査1課の特命捜査対策室が昨年3月から捜査に入り、死亡当時に撮影していたコンピューター断層撮影装置(CT)画像を複数枚組み合わせ、女児の頭部の骨折部位を3Dで再現。「頭蓋骨の複数の亀裂は、事故ではあり得ない」。画像を見た医師ら11人の意見は一致した。また、壁や床に同じ材質を使って現場マンションを再現。体に比べて頭が重い女児の体格を忠実に再現した人形を作り、こたつから落ちただけではできない損傷だと裏付けた。

 「イライラして、こたつの上にいた娘を手で払った」。男は傷害致死容疑で逮捕された後、黙秘に転じた。同罪で起訴され、今後、裁判員裁判で裁かれる。視覚的な客観証拠にこだわった緻密な捜査は、裁判員裁判に向けた「分かりやすい立証」を見据えたものだった。

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