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【強制起訴を考える】「人民裁判」の危惧、現実に 相次ぐ無罪、被告の負担大きく

 平成14年2月から制度設計を議論した政府の有識者会議「裁判員制度・刑事検討会」では、一部の委員から「起訴のハードルが下がり、明らかに無罪の人が刑事被告人に仕立て上げられるのではないか」と懸念する意見も出た。だが、議論の大半は裁判員制度に割かれ、深掘りされることはなかった。

 実際、民意を反映した検審は従来の起訴基準よりも処罰感情を優先し、「法廷で白黒をつける」という方向で判断する傾向もある。

 委員を務めた高井康行弁護士は「検察官が直接不起訴の理由を説明するにもかかわらず、審査員がその検察官の意見に耳を貸さないなどということは想定していなかった」と振り返る。

 裁判員裁判では判決後、裁判員や補充裁判員の記者会見が開かれるが、検審では議決書に記載された内容以外は明らかにされず、審査の実態は「ブラックボックス」(法曹関係者)。高井氏は「検審は、すべての証拠物や調書という生の証拠を見ないまま起訴か不起訴かを決める。証拠に基づかない判断は司法の本質に反する」と疑問視する。

 法務省の元幹部はこう語気を強める。

 「今の強制起訴制度は問題だらけだ」

 強制起訴制度は21日でスタートから丸10年を迎える。裁判員制度とともに「国民の司法参加の両輪」とも言われるが、裁判員制度と異なり、見直されたことは一度もない。浮かび上がった課題を検証する。

 強制起訴制度 平成21年に施行された改正検察審査会法で、検察が不起訴とした事件について、選挙権のある国民からくじで選ばれた11人の審査員のうち8人以上が2度「起訴すべきだ」と議決すれば起訴されることになった。裁判では裁判所が指定した弁護士が検察官役を務める。

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