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【強制起訴を考える】「人民裁判」の危惧、現実に 相次ぐ無罪、被告の負担大きく

 未公開株購入をめぐる詐欺事件で22年に強制起訴され、一部無罪・一部免訴が確定した沖縄県の投資会社社長は「社会的に抹殺され、生活が破綻した」と憤った。

 無罪や免訴が確定しても、検察審査会法上、補償規定はない。逮捕・勾留を経ずに在宅のまま強制起訴されるため、身柄拘束を前提とした刑事補償法の対象にもならない。裁判では弁護士費用もかかるため、被告の負担は大きい。

 日本弁護士連合会の検審に関する委員会で副委員長を務める山下幸夫弁護士は「公開の法廷で裁くことが制度の主眼で、無罪が相次ぐことは織り込み済みだった」とする一方、「検審段階で言い分を聴く機会がないなど、審査対象者の防御権が全く保障されていない」と指摘する。

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 検察の不起訴判断の適否を審査する検審制度が導入されたのは昭和23年7月。戦後の占領政策を実施したGHQ(連合国軍総司令部)が「検察の民主化」を日本政府に命じたことがきっかけだった。GHQは、起訴するかどうかを国民が参加して決める英米の大陪審(起訴陪審)の導入を求めたが、当時の司法省(現法務省)は「時期尚早」と拒否。監察制度としての検審はいわば代替案だった。

 検察は「高度の有罪が見込まれる場合」に起訴する。日本の刑事裁判の有罪率は他国を圧倒する99%以上。起訴基準は厳格で、一方では「検察が事実上、有罪・無罪を決め、公判が形骸化している」との批判も招いてきた。強制起訴制度は起訴権を国民にも開放し、検察の「起訴独占主義」に一定の制約を加える狙いもあったとされる。

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