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裁判員10年 捜査可視化の映像証拠、長時間再生には懸念も

 検察は裁判員制度施行に先駆けて平成18年から対象事件の一部で取り調べの録音・録画(可視化)を開始し、裁判で証拠として積極的に活用するよう求めてきた。改正刑事訴訟法によって、今年6月からは対象事件と検察の独自事件で全過程可視化が義務づけられるが、裁判所内には、法廷で録画を長時間再生することへの懸念の声もある。

 可視化は、自白強要など違法な取り調べを防止し、公判で供述の「任意性」(被告が自分の意思で供述したか)や「信用性」(被告の供述内容が信用できるか)を立証するため、取り調べの状況を音声と映像で記録するものだ。

 厚生労働省の村木厚子元局長の無罪が確定した郵便不正事件で捜査・公判改革の議論が高まったことをきっかけに導入され、警察も20年から裁判員裁判対象事件の一部で開始している。

 当初は、無理な取り調べが行われていないかなど供述調書の任意性を判断する際に「補助的に用いる証拠」とする想定で始まったが、実際の裁判では信用性判断の補助証拠としても用いられてきた。やがて、検察側が供述調書に代えて使う「実質的な証拠」として録画を証拠請求する例が相次ぐようになる。最高検が27年2月、通達で積極活用の方針を示したためだ。

 17年の栃木女児殺害事件で殺人罪などに問われた被告の裁判員裁判では、宇都宮地裁が信用性判断の補助証拠として採用した録画を7時間以上にわたって再生。これに対して、東京高裁は30年8月の判決で「録画で取り調べ中の被告の様子を見て自白供述の信用性を判断しようとすることには強い疑問がある」と言及した。

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