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【心愛さんをなぜ救えなかったのか】結愛ちゃん事件の都検証部会長を務めた大竹智・立正大副学長(57)

インタビューに答える立正大の大竹智副学長(白杉有紗撮影)
インタビューに答える立正大の大竹智副学長(白杉有紗撮影)

 --昨年3月に東京都目黒区の船戸結愛(ゆあ)ちゃん=当時(5)=が両親の虐待で死亡した事件の都検証部会長を務めた経験から、千葉県野田市立小4年の栗原心愛(みあ)さん=当時(10)=が今年1月に虐待死したとされる事件をどう考えるか

 「どちらの事件も母親が父親の支配下にあり、母親はコントロールされ、自分の意志で動けなかった。虐待の背景の中にはドメスティックバイオレンス(DV)があるのではという視点を忘れてはいけない」

 「どちらも転居後に事件が起きた。結愛ちゃんの事件では、引っ越し前の香川県で2回一時保護され、東京都には『継続指導が必要なケース』として引き継がれていた。都の品川児相も家庭訪問を行っているが、今後の支援のために両親との関係性を優先し、無理に結愛ちゃんに会うことはしなかった。会えなかったこと自体がリスクであることに気づき、会わせたくない『何か』があると考えて、次の具体的な約束を取り付けるべきだった」

 --心愛さんのケースについてはどうか

 「夏休みや冬休みの後に『親族宅に帰っているから』という理由で学校を休ませているが、他の虐待事案でも『親族宅に帰っている』と学校に欠席連絡をするケースは多い。その場合には親族宅のある県や市に確認を依頼するなど何かしらの方法で子供の安全を目視で確認すべき。学校が始まっているのに実家に長期間帰るなんておかしいこと。理由を付けて会わせない背景には何らかの後ろめたいことがある」

 --虐待のある家庭にはどのような傾向があるのか

 「親自身も体罰を受けて育てられてきた例が多い。暴力によって矯正された当時の悲しい気持ちを受け止められず、なぜ暴力を振るったのか聞くと『自分も親に暴力を受けてきた』と答える。虐待を行う親がどのような家庭で育ってきたのかを調査することも必要。親になりきれていない親自身への支援を行うことも重要だ」

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